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昨日から今日にかけて生まれた赤ちゃんのお父さんたちです。
いっぺんに4人も生まれました。
忙しいと普段は言いながらも、結構映画を観ていたりします。
以前「めぐりあう時間たち」というアカデミー賞をもらった映画があったのですが、
これはエイズを題材にしたものでした。
何を今更エイズかと言われるなかれ。
ところがHIVの感染者は世界中で3,400万人以上も居て、
これまでにエイズで3,000万人以上が亡くなったとされています。
未だに年間180万人くらいの方が亡くなっているのです。
多くの国ではそれでも新規のHIV感染者の発生数は横ばいか減少に転じています。
ところが日本では先進国の中では例外的に増加している国なのですよ。
私が20年以上前の研修医の時に、京大の産婦人科にもエイズに感染した母親が、
大学では初めて入院されました。
もっとも我々は顔も見ることも病室に入ることもできなかったので、
そのものものしい雰囲気だけでしたが。
10年ほど前に、兵庫県立塚口病院に居た時には、
日本でも抗エイズ薬が開発されました。
そこのMRさんたちに、エイズの講習会をしたことがあります。
タマル産を開業してからというもの、
妊婦さんには全員、エイズの検査をしています。
赤ちゃんを産まれた皆さんも、だから一度は検査しているのですよ。
またクラミジアなどの性感染症にかかった方には、
なるべくエイズの検査を追加して受けるようにすすめています。
もっとも日本産婦人科学会も、そう指導しているのですが。
そして、これまでに2人の方が陽性でした。
ただし陽性と言っても、精密検査をすると感染していないことの方が多いのです。
ウィルスに接触したことがあるのと、感染しているのとでは、また意味が違うからでしょう。
アメリカのアレルギー・感染症研究所の所長らは2012年の最新号のJAMAのHIV特集で、
エイズの撲滅は可能だと言っておられます。
これを実現しているのが、抗ウィルス薬の多剤併用療法が一番です。
他にもHIVに感染している母親に対してはARTを実施するものです。
ARTとは体外受精などの手技のことです。
これが母子間の感染を防ぐ、もっとも有効な方法だからです。
男性には、包茎手術が有効という事実まであります。
医療者としては、もちろん上記のような治療をすすめるわけですが、
私個人としては、知り合いの人、あるいは自分の子たちにはそれとは別のことをすすめます。
そう、不特定多数の人と性行為はするな、ということです。
フリーセックスは、生命を縮めることだと教えるのです。
今日も外来で、若い子がSTDだったので、エイズの検査と、指導をしておきました。
さてどれだけ効果があるか分かりませんが、少しは予防になるかもしれません。
世界平和女性連合という世界NGO組織があって、
そこの知人たちは、アフリカによく行かれているのですが、
エイズを減らすのは薬ではなくて、性教育だと言っておられました。
まだまだ治安の悪い、ジェノサイドがあるような地域に行っては、
一夫一婦制を教えられているのです。
ですが、日本人にまず、それを教えなければいけませんね。
だって、日本人の感染者は増え続けているのですから。
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