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女性の妊娠する仕組みって、知っているようで知らないのです。
排卵っていうのは毎月、左右どちらかの卵巣から、1つだけ卵胞がはじけて、
卵子が飛び出すことですね。
この飛び出した卵子はどこに行くのか知っていますか?
それは子宮の後ろのくぼみである、ダグラス窩(か)というところに落ちるのです。
ちょうど、卵胞がはじけた時に出る卵胞腋という液体とともに飛び出すので、
その水たまりに浮いたような状態でいます。
卵子は毎月いくつか大きくなって、そのうちの1つだけ、
主席卵胞と呼ばれるものだけが排卵します。
そう、卵子だって、その月の一番いいものが選ばれているのです。
ただよっている卵子を、これまた左右どちらかの卵管が吸い上げます。
これが皆さん不思議なようです。
右の卵巣から排卵した卵子は右の卵管から、
左の卵巣から排卵した卵子は左の卵管から吸い上げられるものだと思っておられます。
ですが、どちらからでもいいのです。
赤ちゃんを背負った時は両腕を後ろにまわすでしょう?
子宮が自分、卵管が両腕だとすると、子宮と卵管はちょうど、そんな風な格好をしているのです。
そして卵巣は背中の赤ちゃんの位置に在ります。
2つの卵巣というのは並んで隣り合わせに在るのですよ。
どうもそれをビックリされるみたいです。
よく絵に描いてあるのは両側の卵巣が右と左に腕を開いたようになっているからでしょう。
卵管の先はイソギンチャクのように、ひらひらしています。
腕に例えると、手のひらに当たります。
これで卵子をピックアップするのです。
ポパイの腕を思い出してください。
ポパイって、ちからこぶが肘より下に有るでしょう?
この部分に卵子がただよって、ここで精子を待ちます。
運良く精子と出逢って受精すると、合体してから、分割を繰り返し、
今度は子宮に向かって流されていきます。
そしてうまく子宮の内膜という壁も分厚くなっていたら、貼り付くのですね。
これが妊娠の始まりです。産婦人科では着床をもって、妊娠の成立と言うのです。
よく成功後に飲むアフターピルはこの着床を阻害することにより、妊娠しないようにする薬です。
着床させないことがイコール妊娠を成立させないということですね。
ただし、宗教学的には精子と卵子が受精を妊娠と考えますから、
その後の介入は妊娠後の介入と考えられてしまいます。
だから、iPS細胞の研究も、胚細胞を使わないことから発展したのですね。
胚細胞とは子宮に貼り付く前の精子と卵子の受精後に分割したもののことですから。
また要らない話をしてしまいました。
なかなか妊娠しない人では、何が問題になるのでしょうか。
卵子と精子が出逢う受精の段階ででしょうか?
これは受精障害と言います。精子が卵子の周りのオゾン層のような膜を突き抜けられないのです。
体外受精の際に確かめることができます。
それとも受精卵が分割しているのに、子宮に貼り付かないことが原因でしょうか?
これを着床障害と呼びます。
子宮内膜の増殖と分化がうまくいかないために、子宮内膜が厚くならないのですね。
内服の排卵誘発剤を使うと、子宮内膜に効果が弱くて、厚くならないことがあります。
これもまた治療方法はあります。
着床障害の原因には他にも免疫的な原因などがあります。
何度も流産するような人は、着床まではうまくいっているのですね。
その後の胚の成長が阻害されるのです。
このように、いろんな段階での異常が妊娠を妨げますから、
治療法も自ずと変わってくるのですね。
ただし、ここまでの細かい原因が判明するのは、
体外受精でもうまく妊娠しないような時です。
もちろんそれぞれの原因に対しての治療はありますから治療は進めるべきですね。
まあなんとなく、いろんな理由で妊娠しないことはあるんだな、と感じていただけたら幸いです。
なんだ、なかなか妊娠しないのなんて、よくあることなんだ、ということです。
思いついたら、それは不妊外来を受診する時ですね。
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