タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

カンチョー!

2012-11-19 20:42:30 | 産科

先週、外来に来てくれたお姉ちゃんお兄ちゃんたちです。
こうしてみると、赤ちゃんの時の面影もありますよ。

ところで皆さんはお産の時に浣腸を受けましたか?
そんなこと、もう忘れてしまいましたね。
あるいは導尿を受けましたか?
導尿というのは、管を入れて膀胱に溜まった尿を排泄することです。

陣痛が始まって入院すると、おそらくどこの病院でも浣腸されるのです。
でも、これって本当に必要なのでしょうか?
私は何でも自分で実践してみないと納得できない方ですから、
タマル産を開業した時から、浣腸は一切していないのです。
だいたい浣腸はなぜするかというと、
お産の時にウンチが出ると、外陰部が不潔になるためでしょう。
そうでなくとも、どこの助産師さんも、お産の時は外陰部を熱心に洗浄します。
タマル産では洗浄もそれほど熱心に行いません。
もしくはまったくしないこともあります。

もう1つ浣腸する理由は、便が溜まっていると、
お産の時に腸が傷ついてしまうと説明されているからです。
ですが、タマル産では何千人という方のお産を援助してきましたが、
お産で便が邪魔になったこともありませんし、
便で赤ちゃんがウンチまみれになるなんてこともありませんでしたよ。
ということで、お産の時に浣腸なんてしないのです。

むかし私が京大病院で研修医をしていた頃、当時の若い助産婦さんたちは、
「浣腸がいいか、座薬がいいか」なんていう研究をしていました。
座薬というのはレシカルボン座薬と言って、これも浣腸みたいなものです。
浣腸は液体のもので、60ミリリットルくらいのものです。
レシカルボン座薬だと、チョロチョロ、チョロチョロと出るので、
かえって外陰が汚れてしまうんです。
ほら、そんなことしない方がよぽどマシなのです。

もう1つ、導尿の話です。
いつぞや、妊婦さんを神戸市の3次救急病院まで救急車に乗って搬送した時のこと、
ギリギリのところでお産に間に合って着いたのです。
さあお産、という時に、待ったをかけて、導尿されるのです。
もう生まれるというのに、そんなことしてる場合じゃないでしょ。
これも膀胱を空にしておかないと、お産が進まない、とか、
膀胱が傷つくとか思われているようです。
でも赤ちゃんが降りて来て、尿が溜まっていたら、自然に排尿してしまうものです。
もちろん事前にトイレには行っていただいているのです。

もう1つの理由として、お産の時に失禁してしまったことが、
トラウマになるというものです。
確かに最近のお母さんは、お産でもなるべく恥ずかしい思いをしたくないのです。
それは一理あるでしょう。
でも根本的なところは、ソフロロジー教室でも練習しているように、
リラックスして、心を解き放った方が、陣痛が楽に進むものなのですから、
この際、羞恥心は必要ありません。
ですからタマル産では、お産の時は部屋を暗くして、
なるべくご夫婦で産んでいただいているのですよ。

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悲しんでいる人に
愛という冠をかぶせると
その悲しみはすっとなくなります。
愛とは造化の箱なのです。

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