タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

風疹警報

2012-04-13 20:33:42 | 産科
小さいグラフですが見えますでしょうか?
1本の線だけ、急な上昇の仕方をしているのが分かりますね。
本日、兵庫県疾病対策課から発表された風疹の報告数なんです。
今年は流行の年になりそうです。

妊娠初期にかかる感染症で一番怖いのが、この風疹です。
妊娠初期にかかってしまうと、生まれてくる赤ちゃんの目が見えなくなったり、
耳が聞こえなくなったり、心臓に異常が出たり、知能の発達が遅れたりします。
私の親戚にも居ますから、育てるのに苦労している姿も知っています。
でも周りの人はそうは見てくれませんね。
お母さんに責任があるような言い方をされて、思わず援護してしまいます。
ただの感染症なのにと。

風疹はなってしまっても治せません。
予防接種しかないのですね。
私たちの頃は中学2年生になると学校で女子全員が風疹の予防接種を受けました。
この頃は良かったのです。
ところがその後、風疹の予防接種の副作用の方ばかりを宣伝するようになって、
予防接種が無くなってしまいました。
もちろん保育園の集団発生を防ぐという意味もあってですが。
今は麻しんと合わせて1歳と小学校に行く前の2回、男女とも予防接種をするのですね。
でも任意接種だから、する子としない子が居るのかな。

今妊娠している方は風疹の予防接種を受けられていますか?
妊娠初期の血液検査に、この風疹の検査があります。
採血した血液を2倍、4倍、8倍、16倍、32倍と試験管で次々に薄めて、
ここに風疹のウィルスの一部を混ぜます。
すると、ウィルス抗原をやっつける抗体を持っている人では
試験管の底に沈殿が生じるのです。
たくさん薄めても沈殿するくらいの抗体を持っている人はかかりにくい、ということ。

32倍以上の人は、風疹にかかりません。
16倍までの人は、風疹にかかる可能性があるので、
保育園には近づかないようにします。
この妊娠では仕方がないので、
赤ちゃんを産み終わってから、風疹の予防接種をすることになります。

風疹警報でした。

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