タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

尖圭コンジローマ感染は無くなるか

2012-04-17 20:28:21 | 婦人科
性感染症のお話です。
グラフのように、ここ何年かはほぼ横ばいに推移しています。
男女とも一番多い性感染症はクラミジアです。
女性の2番目に多いのは性器ヘルペス、
次が尖圭コンジローマと淋菌感染症がほぼ同じといったところ。
男性に特徴的なのは淋菌感染症が多いということでしょう。

今日、外来に来られていた方は、尖圭コンジローマを発症されていました。
外陰部に小さなカリフラワーのようなイボができます。
1つのこともありますし、たくさんのこともあります。
それほど痛くはないので、放っておかれる方もありますが、増える一方です。

唯一この病気が悪さをするとするなら、妊娠の時でしょうか。
妊娠中に膣や外陰部にイボができていると、赤ちゃんにもうつってしまいます。
すると赤ちゃんはのどの奥にイボがたくさんできて、死んでしまうこともあるのです。
だから帝王切開して産まないといけないこともあるのです。

この病気はヒトパピローマウィルスというウィルスを、パートナーからもらうことで発症します。
どこかで聞いた名前のウィルスですね。
そう子宮頸癌の原因ウィルスでもあります。
子宮頸癌を起こすのはヒトパピローマウィルスの16型や18型などです。
それに対して尖圭コンジローマを起こすのは6型や11型です。
だからどちらも性感染症なのですね。
これってよく考えると奇妙なことですよ。
発症した人の彼氏が持っている。その彼氏の違う彼女が持っていた。
その彼女の違う彼氏が持っていて、そのまた違う彼女が持っている。
延々と続いて、ものすごい数の人たちと性行為したことと同じなわけですからね。

ところで最近、このウィルスを予防することが可能になりつつあります。
それは子宮頸癌の予防接種を3回受けた方がいいことになりましたが、
この予防接種はもともと16型や18型を予防するものだったのですが、
最近のものは、ついでに6型や11型をも予防するようになっています。
だから子宮頸癌だけではなくて、例え悪いことをしても、
尖圭コンジローマにもなりにくくなったというわけです。

1つ勉強になりましたでしょうか?
性感染症は不妊の原因の1つです。
初めに検査しておかないといけませんね。

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