タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

ごめんなさいね、おかあさん

2012-04-25 20:30:50 | つれづれ
ごめんなさいね おかあさん
ごめんなさいね おかあさん
ぼくが生まれて ごめんなさい
ぼくを背負う かあさんの
細いうなじに ぼくはいう
ぼくさえ 生まれなかったら
かあさんの しらがもなかったろうね
大きくなった このぼくを
背負って歩く 悲しさも
「かたわな子だね」とふりかえる
つめたい視線に 泣くことも
ぼくさえ 生まれなかったら

ありがとう おかあさん
ありがとう おかあさん
おかあさんが いるかぎり
ぼくは生きていくのです
脳性マヒを 生きていく
やさしさこそが 大切で
悲しさこそが 美しい
そんな人の生き方を
教えてくれた おかあさん
おかあさん
あなたがそこに いるかぎり


この詩は、やっちゃんが書いたものです。
彼はすでに昭和50年6月11日に亡くなっています。
この詩を書いて2ヶ月も経たないうちに。

もっと詳しく知りたいと思われたなら、扶桑社文庫の
「お母さん、ぼくが生まれてごめんなさい」
という向野幾世さんの本を探してください。
このやっちゃんに詩を書く事を教えたのが、向野幾世さんです。
向野さんのお父さんもまた、脳性マヒだったのです。

今日、その向野幾世さんが神戸に講演に来られていて、
うちのカミさんが行ってきました。
今回、東北で家族を失った子どもたち25人をクリスマスからお正月にかけて、
暖かいキプロスに連れて行かれたのです。
日本を出る時はあまり興味を持たれなかったそうですが、
キプロスでは大統領から、国民全体で大歓迎を受けたそうです。

でも子どもたちは山の上の教会で、
ばらばらにうずくまって、声を出さずに泣くそうです。

やっちゃんは奈良に生まれました。
私も奈良に居た時に2人、脳性マヒのお母さんのお産の主治医をしました。
病室に畳を入れて、そこで今で言うアクティブバースをするのです。
もちろん脚は開きませんが、そんなことぜんぜん問題ではないのです。
赤ちゃんはむしろ楽に生まれてくるようにみえます。

やっちゃんは早産で、しかも難産であったようです。
お母さんこそが苦しまれたでしょう。
でも医師はそれ以上に苦しんでいるのだろうことまでは、誰も想像だにしないでしょう。
そして、天の神様は、もっと深い痛みを感じておられるでしょう。


優しさこそが大切で
悲しさこそが美しい

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