竹取翁と万葉集のお勉強

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後撰和歌集 巻20 歌番号1368から1372まで

2024年06月18日 | 後撰和歌集 現代語訳 巻20

後撰和歌集 現代語訳 原文付 巻20

原文 者多末幾仁安多留未幾

読下 巻二十

 

原文 以葉比宇多 加奈之比宇多

読下 慶賀歌(附 哀傷歌)

 

歌番号一三六八

原文 於无奈也川乃美己毛止由之乃美己乃多女尓与曾乃衣者為之

者部利个留尓幾久乃者奈遠加佐之尓於利天

読下 女八内親王、元良親王のために四十賀し

侍りけるに、菊の花をかざしに折りて

 

原文 布知八良乃己礼飛良乃安曾无

読下 藤原伊衡朝臣

 

原文 与呂徒与乃之毛尓毛加礼奴之良幾久遠宇之呂也寸久毛加左之川留可奈

和歌 よろつよの しもにもかれぬ しらきくを うしろやすくも かさしつるかな

読下 よろづ世の霜にも枯れぬ白菊をうしろやすくもかざしつるかな

解釈 万世の霜の季節にも枯れないと言う白菊を、後の世を心配することがない、その言葉の響きではありませんが、冠の後ろに頭飾りに挿してみました。

 

歌番号一三六九

原文 奈以之乃寸个安幾良計以己知々乃左以之与宇乃多女尓衣者為之

者部利个留尓計武知与宇保宇之乃毛加良幾奴々比天徒可

者之多利个礼八

読下 典侍明子、父の宰相のために賀し

侍りけるに、玄朝法師の裳、唐衣縫ひてつか

はしたりければ

 

原文 奈以之乃寸个安幾良計以己

読下 典侍あきらけい子(典侍明子)

 

原文 久毛和久留安万乃者己呂毛宇知幾天者幾美可知止世尓安八左良女也八

和歌 くもわくる あまのはころも うちきては きみかちとせに あはさらめやは

読下 雲分くる天の羽衣うち着ては君が千歳にあはざらめやは

解釈 永遠の命を持つ天女のように雲を分けて飛ぶ天の羽衣を着たならば、貴方の千歳の齢に会うことが出来ないことはありません。

 

歌番号一三七〇

原文 堂以之良寸

読下 題知らす

 

原文 於本幾於本以万宇知幾三

読下 太政大臣

 

原文 己止之与利王加奈尓曽部天於以乃与尓宇礼之幾己止遠川万武止曽於毛不

和歌 ことしより わかなにそへて おいのよに うれしきことを つまむとそおもふ

読下 今年より若菜に添へて老いの世にうれしき事を積まむとぞ思ふ

解釈 今年からは新年に若菜を摘むことに添えて、老いた我が身に嬉しいことを加え積み上げようと思います。

 

歌番号一三七一

原文 乃利安幾良乃美己加宇不利之个留比安曽比

之者部利个留尓美幾乃於本以万宇知幾三己礼可礼

宇多与万世者部利个留尓

読下 章明親王かうぶりしける日、遊び

し侍りけるに、右大臣これかれ

歌よませ侍りけるに

 

原文 従良由幾

読下 つらゆき(紀貫之)

 

原文 己止乃祢毛多个毛知止世乃己恵寸留者飛止乃於毛日尓加与不奈利个利

和歌 ことのねも たけもちとせの こゑするは ひとのおもひに かよふなりけり

読下 琴の音も竹も千歳の声するは人の思ひに通ふなりけり

解釈 琴の音も竹笛の音にも貴方の千歳を願う音がするのは、ここに集う人々の願いに通じるからなのでしょう。

 

歌番号一三七二

原文 衣者為乃也宇奈留己止之者部利个留止己呂尓天

読下 賀のやうなることし侍りける所にて

 

原文 与美飛止之良寸

読下 詠み人知らす

 

原文 毛々止世止以者不遠和礼者幾々奈可良於毛不可多女者安可寸曽安利个留

和歌 ももとせと いはふをわれは ききなから おもふかためは あかすそありける

読下 百年と祝ふを我は聞きながら思ふがためはあかずぞ有りける

解釈 百年も生きるようにと祝う声を私は聞きながら、尊敬しお慕いする貴方を思う気持ちがあるために、まだ、それでは足りないと思う所です。

 

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