先週の日曜日(7日)は、勝どきの第一生命ホールに「ふたりでコンサート~オペラの楽しみ~」を聞きにいった。
NPOトリトン・アーツ・ネットワーク(TAN)が企画するこの催しは、「音楽の素晴らしさをもっと身近に楽しんでいただくきっかけを! と、広い世代の皆さまへ多彩な楽しみ方をお届けするのが『ライフサイクルコンサート』、中でも『ふたりでコンサート』は、忙しい日々を過ごしてきた夫婦も、そろそろふたりの時間をもう一度大切に・・・、と提案するシリーズ」(TANかわら版08.11.1号)ということらしい。
私たち夫婦は、娘を加えた三人でこれを聞いた。
プログラムは、ソプラノ佐藤美枝子、メソソプラノ郡愛子、テノ-ル川久保博史、バリトン谷友博の出演で、第一部がオペラのアリアから、第二部がミュージカルなど幅広いジャンルの歌曲を、というもの。
約2時間、実に楽しいひと時であった。
私にとって圧巻は、佐藤美枝子の、ベッリーニの歌劇「清教徒」のアリア「あなたの優しい声が」と、アンコールで歌った「リゴレット」の中の四重唱であった。
ベッリーニの歌劇を私は意識して聴いたことがなかった。3年前のシチリアの旅で、ベッリーニの故郷カターニャを訪ね、ベッリーニ劇場までは行ったが、そこで見たのは「蝶々夫人」であった。娘には聞いていたが、この「清教徒」のアリアの美しさを始めて知った。もちろんそれは佐藤美枝子の歌唱力によるのであろう。さすがにチャイコフスキーコンクールの入賞者・・・、と美しい曲と声を満喫した。
思いもかけなかったことは、アンコールで「リゴレット」のあの四重唱を歌ってくれたことだ。考えてみればソプラノからバリトンまで4人揃っているのだから、四重唱をやるのは当然かもしれないが、一度ナマで聞いてみたいと思っていたリゴレットの四重唱で大満足。今年の聞き納めとして結構でした。
5時過ぎには終わったのでゆっくり新宿まで帰り、オペラシティの最上階にある「東天紅」で食事をした。「あれは上手かったがあれはもう一つ」、「あの二人はハモッていなかった、前進と本まる(娘の音大同級生)の方が上手い」とか、勝手な批評を交わしながら、次々と出てくる中華料理を食べるのも楽しかった。
新宿副都心から中野にかけての夜景もきれいだったし、紹興酒10年もの古酒も料理に合って美味しかった。