旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

今年の政治、経済ー-②ヨーロッパ

2008-12-06 13:30:20 | 政治経済

 

 アメリカ発の世界金融危機は、リーマンブラザーズの倒産や自動車ビッグ3の破綻状況など、当然のことながらアメリカ本土に大きな傷跡を残しているが、意外にも、ヨーロッパ各国などアメリカ以外の国に大きな被害をもたらした。
 
株価の下落率などでは、中国や日本を含め、アメリカよりも周辺の国の方が大きい。正に経済のグローバル化を、これほど実感させられたことはない。なにせ実体経済の3~4倍の過剰資金が、瞬時に世界を駆け巡り儲けを競っている状況だから・・・。
 
中でもアイスランドのように、国の存亡がかかるほどの打撃を受けた国もある。銀行の不良債権額が、国のGDPの10倍に達するとなれば、正に国家の破産であろう。

 私は、EU諸国は、じわりとアメリカと距離をとり、いわゆるアメリカ主導の新自由主義経済を離れて独自の道を求めていると思っていた。イラク戦争に対する態度などその現われと見られ、EU諸国の「新しい未来」に期待していた。ところが所詮は資本主義の行き着くところか、サブプライムローンが組み込まれた巨大ファンドにヨーロッパ各国とも巻き込まれていたのだ。
 
カジノ資本主義は、否が応でもその経済原則をグローバルに貫徹していたのだ。
 
昨日の各紙の報道によれば、欧州各国も一斉に金利を下げてこの危機に対応しようとしているようだ。欧州中央銀行の下げ幅0.75%は、ユーロ導入以来最大の下げ幅で、1%を引き下げたイングランド銀行のレート2%は、57年ぶりの低水準という。為替相場も、ユーロ120円弱、英ポンド140円前後となっている。
 
為替相場で思い起こすのは昨年の英独仏の三国旅行・・・。当時ユーロ160~170円、英ポンド240~250円で、何を買うにも高く、私は、「いつの間に日本はこんなに弱くなったのか? それよりも、ヨーロッパはいつの間に力をつけたのか?」と思い悩んだものだが、実はそれは、ユーロバブルの結果であったのだ。バブルがはじけ、日欧間の相場はむしろ正常に戻ったと言えるのではないか?

 ただ私はもう一つの点に注目している。それは北欧(フィンランド、スウェーデン、デンマークなど)とオランダなどの実情である。これら諸国の生き方に、資本主義の矛盾をぬけ出す一つの手本を求めているからだ。
 
その答えは、もう少し事態の推移を見つめた後に探ることにする。
                             


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