旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

暗い「コロナの夏」を吹き飛ばした明るい「大谷の夏」

2021-07-15 14:12:22 | スポーツ



 夏の思い出はいろいろあるが、野球ファンにとってはオールスター戦に尽きる。中でも国技に近いアメリカにあっては、国を挙げてのお祭り騒ぎだ。その興奮を、今年は一人の日本人選手がさらった。
 大谷翔平は、ア・リーグのホームラン打者(現在33本で首位)としてファン投票で指名打者に選ばれたが、併せて、選手・監督・コーチ選出の投手としても選ばれた。この異例な選出によってアメリカ大リーグは規約変更まで行って「一番ピッチャー大谷」という二刀流オーダーを認めた。
 プレイボールの宣告と同時に打席に立った大谷は、強烈な打球を一二塁間に放ったが、二塁手の好守にはばまれた。しかし、休む間もなく一回裏のマウンドに上り、並み居る強打者を三者凡退に打ち取った。2回の表1点を取ったア・リーグはリードを続け5対2で勝利したので、大谷は規定により勝利投手となった。日本選手がアメリカ大リーグの歴史を塗り替えたのである。
 前日のホームラン競争でも8名に選ばれ、初戦で敗れはしたものの28本を打って同点延長まで戦った疲れも考えれば、想像を絶する奮闘で、「あたかも大谷のための球宴だ」と、内外の野球人が絶賛した。 

 今や大谷は世界中の人に愛され求められている。それは、二刀流とか剛速球とか長距離打球などの技術力だけでなく、その爽やかな立ち居振る舞いと共に示される人間的魅力にあるようだ。
 何がこのような人物を生み出し育て上げてきたのだろうか? 私ごときには到底書き尽くせない何かがありそうだ。

 
  7月15日付毎日新聞より


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