私の大相撲名古屋場所の関心は、全て照ノ富士の横砂昇進への道であった。願わくは全勝優勝、つまり白鵬に勝って横綱へ昇り詰めることであった。千秋楽白鵬に敗れはしたが、堂々と戦った14勝1敗は素晴らしく、協会は横綱推挙のための理事会、横綱審議会の開催を決定、昇進が事実上確定した
これほど素晴らしく喜ばしいことはない。それは、何度も書いてきたように(本年3月29日付「照ノ富士の大関復帰を称える」など)序二段まで落ちて4年をかけて大関に復帰し、さらに横綱への昇進を果たし彼の経歴による。
大関を務めた力士が、怪我のせいだとは言え序二段まで陥落し、4年間という長い時間を耐え抜いてこのような偉業を成し遂げるとは、全て想像を絶し、称賛する言葉も見当たらない。
それに反し、白鵬の土俵態度には疑問が残った。彼も6場所休場の末の「土俵生命をかけた」場所であり、見事全勝優勝したことについては称賛に値するのだろう。
しかし、14日目の大関正代に対する正面勝負を避けた立ち合い、千秋楽照ノ富士との「殴り合い相撲」はとても横綱相撲とは言えず、多くの相撲ファンの失笑を買ったのではないか? 44回も優勝した大横綱が、なぜあんなケチな相撲を取らなければならないのか?…、大変な疑問が残った。加えて、照ノ富士に勝った後の派手なガッツポーズ、賞金を受け取った後の賞金袋に対する長い敬礼は、出稼ぎアスリートの拝金主義を見るようでゾッとした。
大横綱白鵬は、晩節を穢しつつあるのではないか?
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