旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

湯島天神、旧岩崎邸庭園、割烹『みや古』の深川めし

2013-03-17 12:08:13 | 時局雑感

 

 急激な桜の開花宣言にあわて、最後の梅を観ようと湯島天神に出かけた。三日前の湯島天神のホームページに、「夜桜ならぬ夜梅がきれい」などの書き込みがあったので、まだ咲いているのだろうと思ったのだが、さすがに見事に散っていた。桜の開花宣言を呼び寄せるようなこのところの気温上昇で、咲ききって散ったのであろう。

 
     
                わずかに散り残った湯島の梅

 そこで目標を変え、かねて行きたいと思っていた『旧岩崎邸庭園』へ向かった。湯島天神のすぐ下だ。三菱財閥の創設者・岩崎家の旧本邸である。岩崎の三代目社長岩崎久弥(弥太郎の長男)が、日本に数多くの西洋建築を残したジョサイア・コンドルに設計させて、明治29年に建てたものだ。
 これは見ごたえがあった。湯島天神の梅を埋め合わせて余りあるものがあった。

      

 午後五時を回ったので、当初の計画通り森下の割烹『みや古』に向かった。不忍池を眺め御徒町まで歩き、そこから大江戸線で森下と、これも近いものである。
 その目的は名物の「深川めし」だ。梅は最後かもしれないが、あさりはまだ旬であろうというわけだ。実は『みや古』は、三年前の「葵太鼓」の投稿(平成10年5月7日付)に、しのさんという方がコメントを書いてくれ、その中で紹介していただいた店だ。これまた一度行きたいと思いながら三年越しとなったものだ。
 大正年代開業という老舗。当時の料理をそのまま出していますというような味で、下町らしい食感であった。店の雰囲気も含め、何か垢抜けしているとか、飛び切り美味しいとかいうようなものはないが、お目当てのあさり飯にしてもアナゴの甘煮にしても充足感があった。これを庶民の味というのであろう。酒は麒麟山大吟醸。

  


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