書棚を整理していたら、奥から泡盛『どなん』が出てきた。随分前にちょびちょび飲みながら、ちょっと仕舞って半ば忘れていたものだ。思い起こせば、娘が中学か高校生の頃、沖縄旅行の土産に買ってきてくれたものであるので20年近くは経っている。
もちろん一度ふたを開けているので(栓はきちっと締めてはあるが)、「もう腐って飲めないかな?」と思ったが、そこは酒飲みのいやしさ、グラスに注ぎ口に含む・・・・・・、ところがこれが大変な味であった。当時は、かなり荒々しい味であった記憶があるが、実にまろやかになり、泡盛独特の味が柔らかく、豊かに、口中に広がった。
私の書斎は日中人がいないので、冬は零下に、夏は30数度の気温に及ぶはずだ。全く自然のなせるままに放置して熟成(エイジング)を重ねたのであろう。むしろ一度栓を開けただけに、密閉した瓶のままより熟成したのかもしれない。瓶の説明書きを見ると「原料:米」となっている。さすがに米だけの酒だ。変な混ざり物が入っていないことも、熟成酒の条件かもしれない。
さすがに古酒(クース)を尊ぶ泡盛だけあって、熟成するほどよい酒になるのだ。チーズなどを取り出し昼間からつい飲みすぎて、さすがに泡盛が「胃に来た」という感じになった。見れば「アルコール度数:60度」だ。これをストレートでグイグイやったのでは、胃に来るのも当然かと反省している。