旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

松井選手のMVPを称える!

2009-11-05 20:22:01 | スポーツ

 毎日それほどのニュースもないのでトルコ旅行のことばかり書いてきたが、これほどの事件が起こると、日記の性格も持つブログには書きとめておかねばならないだろう。
 松井秀喜選手の「ワールドシリーズMVP」についてである。

 ワールドシリーズの優勝を決める試合で、4打数3安打(1ホームラン)6打点をたたき出して優勝に導く、というのは通常では難しいことであろう。世界の野球人とファンが最も注目しているときにそのような成績を出すというのは「普通の人間には出来ない」ことと考えていいだろう。
 それが出来る人間を、どう考えたらいいのだろう。

 川上、中西、王、長島・・・、金田、稲尾、それから江夏・・・、彼らが去って最近の野球は小粒になったなどと思っていた。しかし、野茂はメジャーでノーヒット・ノーランを何回もやったし、イチローは何百年ぶりの記録をいくつも塗り替えた。そして松井は、ついにワールドシリーズのMVPに輝いた。
 これだけをもって「日本人の野球水準が高い」と断ずることはできないかもしれないが、「最近の野球は小粒になった」という前言は訂正する必要があるのかもしれない。

 折りしも今日の日経新聞スポーツ欄コラム『テェンジアップ』に豊田泰光氏が「鑑賞にたえる空振り」と称して面白いことを書いていた。
 最近、実務派の四番打者が増えてきたが「鑑賞にたえる空振り」がなくなったと言うのだ。自分を含めて昔は一発に賭けての空振りがあったが、清原あたりで終わりだと言う。
 「清原に『直球で来い』と言われ、素直に投げ込んだ近鉄・野茂、ロッテ・伊良部。打たれて悪びれない投手、三振してすがすがしい表情の清原とも、監督とすれば迷惑だったろう。だが、その勝負は球場をどよめかした」
とそのコラムは書いている。

 恐らく、三振覚悟で振りきらなければ、ワールドシリーズで勝負をかけた投手の投げ込む球を3安打することは難しいだろう。まかり間違えば松井は4三振であったかもしれない。たとえ三振でも「鑑賞にたえうる空振り」なら彼の値打ちを下げることはなかったのであるが、それを「3安打6打点」とするところに、彼の並々ならぬ才能と幸運があったのであろう。

                            
       


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