旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

トルコ紀行22 ・・・ トルコの食事

2009-11-16 21:35:10 | 

 トルコ料理は世界三大料理の一つと言う説がある。フランス料理、中国料理に並ぶと言うのだ。日本人はひそかに、フランス、中国、日本料理をもって世界三大料理と自負しているし、イタリア、スペイン、ベルギーなど相応の意見があるだろう。超大国イギリスとアメリカは、この分野ではあまり大きな口は叩かないと思うが。
 
わがツアーの面々も、この旅に於いて食にかける期待は大きかったと思う。ところが、結論としてその期待は十分満たされたとは思えない。相当な部分で高得点を取ったと思われるこのツアーで、唯一不評であったのは食かもしれない。


 
まず二日目、エフェソスでの昼食・・・、広大な遺跡めぐりで汗をかき腹をすかし、通されたのはきれいなプールに面する明るい野外レストラン。エフェスビールを飲み白ワイン(beyaz sarap)『KULUP』を味わい、いよいよ最初のお目当て『チョップ・シシ(肉の串焼き)』が出ると言うので、赤ワイン(kurmizi sarap)まで注文して待ち受けたのであるが、それは日本の焼き鳥の三分の一ぐらいの肉が付いた貧しいものであった。トルコは肉の国と聞いていたので、さぞかし“ごつい肉”がでてくるものと思ったのが間違いであった。

 もっとがっかりしたのは次の日の昼食。アンタルヤに向かう高原の美しい湖のほとりのレストラン・・・、今日は、昨日の肉に対して魚料理で、鱸(すずき)料理だと言う。大きな焼き魚が姿のまま出てくるのか、それともこってりとしたソテーかなあ・・・、などと思っていたら、添えられたトマトよりも小さい“魚らしい塊”が出てきた。焼き過ぎでもあるし、殆ど魚の味はしなかった。ご夫人たちは“トマトの鱸添え”と名づけた。

 もう一つ。食事の後には必ずデザートが出るが、今回のツアーで最も人気の悪かったのが『ケマル・パシャ』というデザートだ。ケマル・パシャと言うのは、既に述べたように、特にわがガイドフラットさんが誇り高く語り続けた近代トルコの建国の父のことだ。別名アタチュルク(トルコの父)と呼ばれる英雄であり、トルコ人はその名を付して、このお菓子を最も好んで食べているのであろう。


 ところがこれが日本人の口に合わない。小麦粉を丸めて揚げたものを蜂蜜に浸したものらしい。そのじゅくじゅくした甘さが現代の日本人には耐えられない。最初の店からこれが出たが、二日目には殆ど全員が一個も食べないで残していた。私は建国の父に敬意を表して2個食べたが。
 食ほど難しいものは無い、と思った。
                    
                           
     


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