旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

オックスフォードのパブ「The Eagle and Child」

2007-12-01 17:25:59 | 

 

 イギリスでもっともパブらしいパブに行ったのは、オックスフォードの「イーグル・アンド・チャイルド」(鷲と子供?・・・そういえば丸い看板に《子供を銜(くわ)えて飛ぶ鷲》の絵が描いてあった)であった。
 既に9月26日のブログで簡記したが、あの店の思い出は深い。
 そもそもオックスフォードには、コッツウォルズを回ったあと日が暮れて着いて、翌日は真っ直ぐロンドンに向かったので、オックスフォードは、いうなればこのパブの思い出に尽きるわけだ。
 大学都市オックスフォードの街の様子を見る余裕はなかったが、このパブの雰囲気は、落ち着いた大学の町の姿を示していた。学生と一般市民が半々ぐらいの客層で、お年寄りの体の不自由な人が来ると、若い学生らしき客が立ち上がり、その年寄りのテーブルと椅子をうまくセッティングしてあげるなど、気持ち良い風景が見られた。それは若者がよく教育されていることもあるのだろうが、これが「パブという社会」なのだ、と言っているようにも見えた。
 またこのパブは、『ナルニア国物語』などを書いたC.Sルイスなどを常連客としたらしいので、そもそも《大学の町の雰囲気を持ったパブ》ということなのだろう。

 私はここで、「ロンドンプライド」と「EXモア」という二つのエールを飲んだ。つまみもイギリスパブでのつまみの典型「フィッシュ・アンド・チップス」としたので、まさにザ・イギリスを食べたのだ。
 ただこのビールが、前回書いた「典型的なエール『カスクビア』」(注)であったかどうかを確かめていない。かなり美味しいビールであったが、忙しそうなパブリカン(パブの経営者)に訊ねる時間も勇気もなかったのだ。
 これもまた「いつかの楽しみ」として未来に託しておこう。
                    

(注)カスク(cask)と言うのは樽のことで、醗酵を終えたエールを大きな樽(カスク)に詰めてパブに持ち込まれるが、中ではエールが二次醗酵を続けている。これをセラーマンやパブリカンが管理しながら、「生きたままで一番美味しいときに」客に出すのが典型的なエール(カスクビア)である。

 

                                

 


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