旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

絵画の宝庫ーーベルギー、オランダ

2007-04-29 11:22:15 | 文化(音楽、絵画、映画)

 

 ベルギー、オランダの旅で、専らビールとチューリップに触れてきたが、この地は決して「花と団子の国」だけではなく、絵画史を彩る絢爛たる画家たちを生んだ国でもある。曰く、レンブラントゴッホルーベンスフェルメールブリューゲルファン・ダイク等々。
 九州と四国を合わせた面積よりちょっと広い程度の、この平坦な山のない国には、よい石も採れなかったので彫刻が栄えなかった。反面それだけ絵画に優れた。(新潮社『世界の歴史と文化 オランダ・ベルギー』154頁参照) レンブラントにしてもルーベンスにしても、想像を絶する写実力だ。司馬遼太郎によれば、オランダは「17世紀にレンブラントを生み、19世紀にゴッホを生んだだけでも、人類に大きく貢献した」(『オランダ紀行』岩波文庫86頁)
 旅行の喜びは、その地にしかないものに触れることだ。教科書や美術書の小さな写真でしか見たことのない巨匠の絵を、実物で見ることは大きな感動である。実物を見たとき、いつも「ああ、この絵の本物は世界に一つしかないんだ」ということを実感する。

 この地方に限らないが、ヨーロッパの絵を見る場合、宗教の影響を離れて論じられないようだ。友人のN君は宗教と絵画に詳しいが、出発前に彼が「カトリックの影響下では宗教画が多く、大型で華麗な宗教物語絵画となるが、プロテスタントの影響下では、絵は小型化し風景画や日常画が多くなる」と教えてくれた。
 ベルギー、オランダでそのことが見て取れた。カトリックの影響下にあるベルギー南部と、プロテスタントが主流を占める北部のフランデル地方からオランダにかけてとは、明らかに違う。
 カトリックの総本山ローマやヴェネツィアで学んだルーベンス(ベルギー)と、プロテスタンティズムの精神で経済興隆を目指したオランダで育ったフェルメールは、その典型かもしれない。
 長くなったので,この続きは明日。
                             
 


投票ボタン

blogram投票ボタン