ベルギーには数百のビール醸造所があり、数百種類とも千種類ともいわれるビールがあると言われている(資料によりさまざま)。一人当たりの年間消費量は約100リットル(日本の大瓶約160本分)で、日本人の二倍に近い。それでも世界で6、7位のようだが・・・(因みにトップはチェコで約160リットルと聞く)。
隣国ドイツは、500年に及ぶ「ビール純粋令」(麦芽、ホップ以外のものを加えたものはビールと認めない)を守り続け、種類よりも純粋性を尊ぶが、ベルギーは様々な素材を加えて多様な味を楽しんでいる。
その主なものを挙げれば以下のとおり。
・トラピストTrapistビール
中世の頃から修道院で、修道士たちによって造られてきたもので、オルヴァル0rval、シント・シクトウスSaint-Sixtus、ウェストマルWestmalle、シメイChimay、ロッシュフォールRochefortの5種が代表格。濃色で度数も高く、苦味の強い伝統的な上面醗酵ビール。
・ランビークLambicビール
ブリュッセル近郊にしか発生しない自然酵母菌と、セナ渓谷の湧水をベースに、古代から伝わる製法で、オーク樽で2年近く熟成させたビール。独特の香りと酸味を持つ。
・グーズGueuzeビール
ランビックに新酒をブレンドし、ビンの中で自然発酵するためシャンパンと同格とされている。
・ホワイトビール
醗酵途上の濁り酒のようなもので、大麦麦芽と小麦で造る上面醗酵ビール。かすかに酸味が残りドライだがしっかりした味わい。
・クリークKriekビール
サクランボやや木苺などを加えたビール などなど。
このように、ビールと言えるのか?、と言いたくなるほど多彩なビールを、「ムール貝のワイン蒸し」や「牛肉のビール煮」など様々な料理に合わせて飲む国である。
私は8日間のベルギー・オランダの旅で20種類のビールを飲んだ。しかしこれなどは自慢にならない。ベルギービール・ツアーに出かけるプロ連中は、8~9日の旅で100種類を目標にしている。
それほど多彩なビールを持つ国である。