桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

救出劇

2010-10-14 | Weblog
全世界の注目を集めたチリの鉱山落盤事故。無事に全員が救出されて一件落着になりそうだが、事故からの経過を振り返ると、一人ひとりの人生まで見えて、まるで作られたドラマを見ているようだ。
事故後、少ない食糧を分け食べる指揮をしたリーダーの存在が明かされ、全員生存の喜びに花を添えたらば、最後には、そのリーダーに愛人のいることも明かされる喜劇になるなんて、作り話でも出来過ぎになる話だろう。
生存発見から救出劇まで、大統領の演出があった裏話も明るみに出され、ただ良かっただけでは終わりそうもないが、何事も同じだね。良かった、良かったとなった後にこそ、本当の問題が表れる。
布川事件は明るく楽しい冤罪。最後まで、それに相応しくありたいが。