桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

金木犀

2010-10-05 | Weblog
昨日、群馬県の旧三国街道の宿場街、須川宿にある匠の里を散策しているとき、金木犀が香った。
俺が逮捕された43年前に、この香りに包まれながら取手警察署に行き、長い冤罪生活が始まったから、この香りを嗅ぐたびに、色々な思い出が蘇り、懐かしいやら切ないやらの気持になる。
今回の葉留日野山荘の旅は、冤罪になったことによって得た幸せを感じ、俺の人生は恵まれ、満たされていることを再確認する時間でもあったが、金木犀の香りにある思い出には、そんな喜びや満足はない。もう一度、あの日々をやり直したいような後悔が溢れるようだ。
今、金木犀の香りには、俺が社会で積み重ねて来た思いも含まれるようにはなったが、この香りを感じるたびに、きっと俺は、若き日の傷を振り返り続けるのかも知れない。

反対だ

2010-10-05 | Weblog
検察審査会が小沢一郎議員の政治資金法違反事件で強制起訴が決まった。
俺は小沢さんは好きじゃないし、政治家として持たれた疑惑の中身を考えて、全く政治家としての資格はないと考えている。でも、この強制起訴には反対だ。
田中角栄氏のロッキード事件が冤罪であるように、田中さんと同じに日本独自でアメリカの利益に反する政治を行おうとする小沢さんは、田中さんと同じに冤罪にもされたと言う意見を聞く。また、疑惑だけで裁判にしては冤罪を作るし、賛成出来ないと言う声も聞く。
俺は、田中角栄氏のロッキード事件には詳しくないから反論は出来ないし、そうなのかも知れないが、だからと言って政治家田中角栄を擁護する気にはならない。田中さんが行った政治を金にした、政商小佐野賢治と組んだ金儲けは、政治家として最悪だ。そんな金の力で伸し上がり、政治力を発揮するのが政治家であるように思われたのが、自民党政治の歴史だったのだ。今度の起訴は、その調書の信用性を理由に行われた点が賛成出来ない。前田事件を例にとは言わないが、言葉を根拠に裁判をすることは、余りにも危険だ。一個人、小沢一郎氏の人権を考えたとき、疑惑だけで裁判をして良いものか。強制起訴は納得出来ない。
しかし、政治家小沢一郎は違う。李下の冠瓜田のソク、政治家は金に厳しく身を律しなければならない。緩やかな規制と自由な使い道を許す政治資金法は、政治家の潔白性、清廉を信じて成り立っ法律であるゆえに、その緩やかさもあるのではなかろうか。
小沢一郎議員の土地や金に纏わる疑惑は、余りにもウロン過ぎる。もう議員を辞めて余生を生きられるべきだろう。

水上

2010-10-05 | Weblog
昨夜は、水上市内にある支援者のリゾートマンションに泊まった。
かなり前、このマンションを借りて過ごした思い出があって、そのことを懐かしく思い出したが、眼下を谷川岳から流れてくる川があって、段差を落ちて行く水音も激しく流れている。
西から北側には、大きな窓があり、北窓からは谷川岳も見える。
昨夜は、支援者の3人と一緒に泊まり、何年振りかでマージンも楽しんだ。
また、そのうち、ここを借りて書き物をしたいと思っているが、支援者の皆さんと親しく過ごす時間は、何時も自分が幸せ者だと教えてくれる。有り難い限りだ。