桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

古里

2008-11-11 | Weblog
今日は千葉刑務所へ行って来た。冤罪仲間、栃木の足利事件で服役中の菅家さんに面会に行って来た。
18年過ごした場所だから、当たり前に知った顔、職員はいる。何人に会ったろうか。
シャバに帰る前、工場の担当として世話になった人が通ったときは、思わず声を掛けて話してしまった。向こうも驚いたみたいだが、あの当時の顔で話してくれた。他にも声を掛けた人がいたし、面会の立会人が、また良く知った人!
今週は、俺が12年前にシャバに帰ったときだけに、今日の面会行動は感慨があった。
まだ千葉刑務所には、俺を知る仲間もいるし、職員もいて、あの当時に、俺が何をしていたかを知ってる。それが今、冤罪と鬪う仲間が千葉に来て、俺の生きてきた月日を聞きながら頑張ってるのだと思ったら、本当な嬉しくて、涙が出そうだった。
この思いを話したい、誰かに話したい、と思いながら刑務所から帰り、少しだけ自由の哀しさを感じたりもした一日だった。
人間が一途に生きる月日は、必ず明らかになるし、自分に返るんだよね。