スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典かきつばた記念&構成関係

2023-05-02 19:12:21 | 地方競馬
 第25回かきつばた記念
 コウエイアンカは枠入りにやや時間を要しました。発馬後は各馬の牽制状態となり,意を決したようにデュアリストが先頭に。ヘリオスが2番手で3番手にドライスタウト。4番手をサイモンハロルドとウィップラッシュで併走し,6番手のウィルソンテソーロまでは集団。3馬身差でルーチェドーロとテイエムサウスダン。3馬身差でメイショウシルト。以下はメルト,コウエイアンカ,アオイスイセイの順。ミドルペースでした。
 3コーナーからウィルソンテソーロとルーチェドーロが捲り上げてきてこれにヘリオスとドライスタウトが対応。デュアリストはここで一杯。一番外のルーチェドーロもついていかれなくなり,優勝争いは3頭に。直線に入るとドライスタウトがヘリオスの前に出て,外から追ってきたウィルソンテソーロと2頭の競り合いに。この競り合いはフィニッシュまで続き,制したのは外のウィルソンテソーロ。ドライスタウトがハナ差の2着。直線で一杯になったヘリオスが3馬身差で3着。
 優勝したウィルソンテソーロは重賞初制覇。デビューしてから3戦は芝を使って未勝利。昨年の8月にダートを使うと初勝利をあげ,そこから4連勝しました。初のオープンとなった前走は5着でしたが,出走メンバーの中では最も上昇度があった1頭。ハンデ戦で斤量が最も有利な立場で僅差の勝利なので,手放しで評価することはできませんが,このレベルのレースであれば今後も活躍はしていけそうです。1500mはこれまでの出走経験の中で最も短い距離でしたので,そこに対応できたのは大きな収穫でしょう。父はキタサンブラック
                                         
 騎乗した川田将雅騎手はかきつばた記念初勝利。前走後から管理することになった小手川準調教師は開業から3年1ヶ月強で重賞初制覇。

 人間が何かを殴打する行為が構成関係と組み合わさるというのは,たとえば鉄を打って鍛錬するというような場合のことです。この行為は構成関係を破壊するものではなく,むしろ殴打という行為が鉄の鍛錬と組み合わさっているのですから,malumであるということはあり得ず,善bonumであるといわなければなりません。
 ドゥルーズGille Deleuzeはこのように善と悪の関係でこのことを説明しているのですが,実はこのことは,能動actioと受動passioの関係にもいくらかの関連を有します。というのは,人間が何かを殴打するという行為,というかこれは殴打に限らずどんな行為でもよいのですが,人間の何らかの運動motusが,ある構成関係を破壊するものであったとしたら,そうした身体的運動のすべては能動であるということはあり得ず,受動であるといわなければならないからです。一方,ある身体的運動が構成関係と組み合わさっている場合は,それを直ちに能動ということはできない,つまりそうしたことも受動から生じ得るのだとしても,能動である場合もあるのです。
 『はじめてのスピノザ』ではそうしたことが,別の例によって説明されています。そして國分が示しているその例は,ここで僕がいっていることを容易に理解することができるようなものになっています。というのは,スピノザが第四部定理五九備考で示している事柄も,ドゥルーズが『スピノザ 実践の哲学Spinoza : philosophie pratique』で示している例も,構成関係を破壊するという観点からいうと,ある人間の身体的運動によってそれが破壊されるという形になっています。しかし一般的にいえば,僕たちがある構成関係を破壊されるということを容易に理解することができるのは,これとは逆向きで構成関係が破壊される場合なのです。つまり,自分の身体的運動によってある構成関係が破壊されるということを示すよりも,何らかの物体corpusによる運動によって自分の身体との構成関係が破壊されるという場合の方が,確かに構成関係が破壊されたということを理解しやすいのです。これは現実的に存在する人間は喜びlaetitiaを希求し悲しみtristitiaを忌避するようにできているからであって,わざわざ自分の方から構成関係を破壊するような身体的運動をなすとは意識しないからです。

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