スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

大山名人杯倉敷藤花戦&整合性

2015-11-27 19:37:03 | 将棋
 23日に倉敷市芸文館で対局があった第23期倉敷藤花戦三番勝負第二局。
 甲斐智美倉敷藤花の先手でノーマル三間飛車からの石田流。里見香奈女流名人はここも二枚銀の急戦で対抗。一時的に抑え込みを果たしたかにみえましたが,先手がうまく隙をついて捌くことに成功。こうなると玉の堅さが違いますので,先手が有利な状況で終盤に入ったと判断してよいでしょう。
                              
 4六にいた飛車が回ってきたのに対し,成り込みを防ぐために歩を打った局面。ここから▲3五角△同歩と進んだのは必然でしょう。
 先手は模様はよさそうなので飛車が逃げておく手が有力でした。とくに2六に回れば▲2四金とする手があり,桂馬を取ると5四にも打てますので,そう指すべきだったでしょう。しかし▲5一角と打ち込んでいきました。
 これには△5一飛と逃げることになります。角が逃げていては何をやっているのか分かりませんから▲4二角成△同玉は必然。ここでも今度は4六に飛車を逃げる手があったと思うのですが▲5四銀と進出。後手が△7六歩と飛車を取る展開になりました。
                              
 逃げられる飛車を見捨てたのですから寄せなければなりません。そのためには第2図で▲3四金と打つべきだったようです。しかし▲6三歩成と△6四飛を嫌うような手を指したために△3三玉と早逃げされ,容易には寄せられなくなりました。まだ混戦という印象ではありますが,そこでは後手が逆転しているのかもしれません。
 連勝で里見名人が倉敷藤花に復位第16期,17期,18期,19期,20期と5連覇していて,3年ぶり6期目の倉敷藤花です。

 もしもレーウェンフックの協力によってフェルメールが満足できるレンズを入手したとするなら,フェルメールはそのことでスピノザに助けを求める必要はありません。したがって,マルタンがいっているスピノザとフェルメールが出会う必然性,つまりカメラ・オブスキュラを契機とした出会いは,レーウェンフックの技術力によってはフェルメールが満足できるだけのレンズを入手することができなかったという場合に限定されることになります。もちろんそういう可能性が皆無であったとすることはできないでしょう。
 僕がいっているレーウェンフックの技術的な援助がフェルメールに対して与えられたとマルタンが考えているかどうかは僕には分かりません。『フェルメールとスピノザ』の記述はどちらにでも読解できるようになっているからです。ただ,マルタンが断定的に示しているのは,スピノザとフェルメールを結びつけたのはレーウェンフックであったということだけです。マルタンはレーウェンフックがスピノザの製作したレンズを用いて赤血球を発見したのだと認識していますので,紹介すること自体は可能であったことになります。マルタンの記述自体はフェルメールの依頼に対して自分では何もせずにスピノザを紹介したというようにも読めるわけですが,僕はそれはあり得ない推理だろうと思います。でも,一定の協力をした上で,フェルメールを満足させるだけの技術がないということが自分で分かったので,もっと技術があると思われるスピノザを紹介するというのなら,その可能性があることを僕は否定しません。
 ただし,マルタン自身の記述と僕がいっていることを整合的に説明するためには,僕はレーウェンフックの紹介によってスピノザとフェルメールが出会わなければならなかったとは考えません。むしろフェルメールが独自にスピノザに助けを求めたと想定してもいいのではないかと思います。
 このことを詳しく説明するためには,僕がいったことと『フェルメールとスピノザ』の記述は,どのようにすれば最も一致し得るのかをまず理解しておかなければなりません。それは「天文学者」とは別の1枚の絵画に関係します。

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