スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典関東オークス&第二部定理八系の意味

2019-06-12 20:41:09 | 地方競馬
 第55回関東オークス
                                        
 キタサンベッキーはダッシュがつかず3馬身の不利。前に行く構えをみせたのはアークヴィグラス,リトミックグルーヴ,エリーバラード,ラインカリーナの4頭。大外のラインカリーナが発走後の向正面で先手を奪いきると1周目の正面にかけて4馬身ほどのリード。2番手にアークヴィグラスで3番手にリトミックグルーヴとなり,4番手にトーセンガーネットとエリーバラード。6番手にダバイダバイとローザノワール。8番手にゼットパッションとマドラスチェックの順。1コーナーにかけてラインカリーナのリードがどんどん縮まっていったため,9頭は一団に。離れてグローリアスライフ,アブソルートクイン,タイムゴールドの3頭。また離れてナインシュヴァハとキタサンベッキー。全体的にはミドルペース。
 2周目の向正面に入るとまたラインカリーナがリードを2馬身ほどに広げました。リトミックグルーヴが単独の2番手になってまた2馬身差でアークヴィグラス,トーセンガーネット,エリーバラード,ローザノワールの4頭となり,後方にいたマドラスチェックも追い上げ,ここから一気に逃げるラインカリーナの直後まで追い上げていきました。3コーナーを回るとこの2頭と3番手の差が広がり,トーセンガーネットが6馬身くらい離れた3番手に。優勝争いは前の2頭に絞られ,直線の半ばからまた差を広げたラインカリーナが逃げ切って優勝。マドラスチェックが2馬身差で2着。トーセンガーネットが大差の3着。
 優勝したラインカリーナは2月の500万特別以来の勝利。重賞初挑戦での制覇。2着馬はオープンを勝っていて,こちらは3月のオープンは3着だったので,JRA勢では実績は2番手。ただその3月のオープン以来のレースという点はやや不安でした。今日は最初は飛ばして途中で落とし,残り800mからスパートすると残り600mからは一定のペースを守ったように,変幻自在のペースで逃げたという印象で,それが勝利に結びついたように思えます。もしかすると長めの直線と急カーブで構成されている川崎のコースはとくに向くというタイプの馬だったのかもしれません。
 騎乗した武藤雅騎手はデビューから2年3ヶ月で重賞初勝利。管理している武藤善則調教師は関東オークス初勝利。

 第二部定理八系を解するにあたってはふたつの注意が必要です。
 ひとつは以前に第二部定理八系の意味として示した事柄です。すなわち,属性attributumに包容されている限りで存在するもの,このものというのは観念ideaと知性intellectusの外にある観念されるものideatumの両方を意味しますが,それはそのものが持続するdurareといわれる形態で存在するようになると,属性に包容されるという形態での存在existentiaを停止するわけではないということです。このことは観念で考えれば容易に理解できます。たとえば円の観念は,僕たちが一端が固定しもう一端が運動する直線によって作成される図形という定義Definitioに則して概念するconcipereなら,円の十全な観念idea adaequataでした。このことは円が現実的に存在していようといまいと同一です。しかもそれは第二部定理七系の意味第二部定理一一系により,神Deusの無限知性intellectus infinitusのうちにある円の観念と同一です。無限知性というのは書簡六十四によれば思惟の属性Cogitationis attributumの直接無限様態です。よってそれは第一部定理二一により永遠aeterunusでなければなりません。ですから円の観念が現実的に存在するようになったからといって,無限知性のうちの円の観念がその存在を停止することはないのです。そして,第二部定理七により,観念と観念されたものの秩序ordoは同一でなければなりません。ですから円の観念が永遠で,円の観念が持続するようになったからといって永遠である存在の仕方を停止しないなら,円もまた永遠で,円が持続するようになったからといって,延長の属性Extensionis attributumに包容される限りでの存在を停止するわけではないのです。
 もう一点は,この系Corollariumは個物res singularisが時間的に持続するようになると個物の観念も持続するという存在を含むようになるといっていて,この文章は個物が現実的に存在することが原因causaとなって個物の観念が持続するという結果effectusが生じると読解できてしまうのですが,この読解は誤りで,ここに因果関係は存在しないということです。このことは,円は物体corpusすなわち延長の様態modiで,円の観念は思惟の様態cogitandi modiであるので,円と円の観念の間には共通点がないということに注意すれば,第一部定理三から明白です。この部分でいわれているのは因果関係ではなく,平行論における平行関係のことです。

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