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スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ニーチェとスピノザ・近似性&第二のケース

2006-04-29 21:24:37 | 哲学
 ヨベルは『スピノザ異端の系譜』の中で多くの思想家とスピノザの関連について言及しています。その中で最もスピノザ主義を展開したといわれているのがニーチェです。
 確かにふたりの思想には,はっきりとした近似性,あるいは親近性があるでしょう。そのうちで最大のものはその哲学の徹底した内在性(エチカでいえば第一部公理一)です。ふたりの思想には一般に僕たちが神ということばで表象するような超越的な存在が完全に排除されています。
 その他,ニーチェ自身があげている類似は次の通りです。①意志の自由の否定(エチカでは第二部定理二とその備考ほか)。②目的論の否定(同第一部付録ほか)。③道徳的な世界秩序,とりわけ憐れみの否定(同第四部定理五〇ほか)。④非利己性の否定(同第三部定理六ほか)。⑤悪の否定(同第四部定理一九ほか)。
 しかし一方で,大きな差異があったことも事実でした。これについてはまたいずれ。

 明日は天皇賞。勝つのはディープインパクトですね。2着争いは難しいですが,マッキーマックスとデルタブルース,それからトウカイトリック,リンカーン,ローゼンクロイツという順にしておきます。

 ここでは第二のケースの方に注目してみます。というのは,人間の身体の中に起こる運動の原因が人間の身体を組織している物体同士の関係であるなら,これは全体としての人間の身体が原因であるといえなくもないからです(厳密にいうとこれは間違いですが,ややこしいですし,正確に理解することはここでの考察には必要でもありません)。
 しかしもしも,人間の身体の一部を構成している何らかの物体が,この人間の身体にとって完全に外部であるといえる物体と関係してある運動をなし(これは実際に可能であると思われます),それを人間の身体の中に起こることであるとするなら,少なくともこのときは,人間の身体はこの運動の十全な原因ではあり得ません。僕が第二のケースに注目するのは,そのことが明白であるといえる例であると思うからです。

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