スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

倉敷藤花戦&第二部定理一七系

2008-11-23 21:07:06 | 将棋
 第16期倉敷藤花戦三番勝負第二局。里見香奈女流二段は先手でもやはり得意の中飛車でした。
           
 第1図は先手が桂馬の活用を図ったところ。清水市代倉敷藤花はここで☖8九角と打ち込みましたが,☗6八金と逃げられてみるとこの攻めは無理でした。結果,飛車金交換という分かれになり,先手有利に。少し進んで第2図。
           
 この☗6三角成自体は緩い感じもしますが,実戦はこの馬が意外な形で働いてくることになりました。7三に寄った馬を9五に引いたのが第3図。
           
 ここから☖4五龍に☗6八馬。1筋は後手から仕掛けていったものですが,見事に逆用してここでは大差ではないでしょうか。この後,1六の歩を払わずに攻めていった手順もうまかったと思います。後手も屈強に抵抗しましたので手数は長くなりましたが,危なげなく先手が押し切っています。
 連勝で里見新倉敷藤花の誕生。終盤の鋭さが持ち味で,序中盤に課題があるというのは本人も認めているところなので,今日のように中盤でよくなってしまえば必勝に近いところがあります。1分将棋で最善手を続けるというのは難しく,それも手数が伸びた一因かもしれませんが,この将棋は快勝といっていいのではないでしょか。
 清水前倉敷藤花はこれで女流王将の一冠に後退ですが,女流王将戦は休止が決定していますので,これを名乗れるのは来年10月まで。その間にタイトルを獲得できないと,無冠ということになります。

 明日は玉野記念の決勝です。並びは菅田-山崎の北日本に飯嶋,南関東は村本-鈴木で番手含みの自在,荒井-立石の九州に三宅-佐竹で西国。意外と菅田選手が面白いのかも。

 これで人間の精神mens humanaが外部の物体corpusを知覚するpercipereということ,自分の身体corpusを知覚するということ,そして自分の精神を知覚するということについては,それがどのように生じるのかということが理解できました。人間の精神による表象の種類のうち,知覚というのはこれですべて,いい換えれば人間の精神が何かこれら以外のほかのものを知覚するということは,第二部公理五からしてもあり得ませんので,今度は人間の精神による事物の想起memoriaというものがどのように生じるのかということについて考えていくことにします。
 僕の考えでは,この想起というのを,スピノザはふたつの仕方で示しています。そこでそれらを順にみていくということにします。最初は第二部定理一七系です。
 「人間身体をかつて刺激した外部の物体がもはや存在しなくても,あるいはそれが現在しなくても,精神はそれをあたかも現在するかのように観想しうるであろう」。
 第二部定理一七系というからには,今回のテーマである第二部定理一七に深く関係している筈であり,その第二部定理一七は人間の精神による事物,とくに外部の物体の知覚を表しているのですが,この系Corollariumはむしろ想起の方を示します。それはこの定理Propositioの意味しているところが,かつて知覚という形で観想したものを,後にまたそのときと同じように観想するcontemplariのですが,このように観想する時点では,かつて知覚したときのように,その知覚される外部の物体が,この観想をする人間に対して現在していないという仮定の下に成立しているということから明らかであるといえるでしょう。

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