スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

宝塚記念&土台

2022-06-26 19:18:18 | 中央競馬
 第63回宝塚記念。オーソリティが馬場に入った後で右の前脚の歩行にバランスを欠いたため競走除外となって17頭。
 タイトルホルダーが先頭に立った後,パンサラッサが追ってきました。1コーナーではパンサラッサの方が前に出て,そこから3馬身くらいのリードを取りました。2番手にタイトルホルダー。2馬身差でアフリカンゴールドとディープボンド。3馬身差でウインマリリン。2馬身差でヒシイグアスとギベオンとマイネルファンロン。2馬身差でエフフォーリア。1馬身差でデアリングタクト。1馬身差でステイフーリッシュ。2馬身差でポタジェ。1馬身差でメロディーレーンとアイアンバローズ。1馬身差でグロリアムンディ。1馬身差でキングオブコージ。1馬身差の最後尾にアリーヴォ。最初の1000mは57秒6のハイペース。
 最終コーナーの中間からタイトルホルダーがパンサラッサとの差を詰めにかかり,直線の入口では雁行。直線に入るとすぐに先頭に立ちました。ディープボンドがコーナーで外から追っていったのですが,タイトルホルダーにはついていくことができず,抜け出したタイトルホルダーがレコードタイムで快勝。パンサラッサとディープボンドの間から脚を伸ばしたヒシイグアスが2馬身差で2着。大外から伸びたデアリングタクトが2馬身差の3着でディープボンドがハナ差で4着。
 優勝したタイトルホルダー天皇賞(春)に続いての大レース制覇で大レース3勝目。天皇賞(春)が圧勝でしたので,現状で能力トップの座に君臨している可能性も高そうだとみていました。スピード能力だけでなく,スタミナも問われるようなレースになったのはこの馬にとってよかったでしょうが,それでもレコードタイムで2馬身の差をつけたのですから,現役最強馬という評価でいいだろうと思います。父はドゥラメンテ
 騎乗した横山和生騎手は天皇賞(春)以来の大レース2勝目。管理している栗田徹調教師は天皇賞(春)以来の大レース5勝目。宝塚記念は初勝利。

 『国家論Tractatus Politicus』を執筆している時点では『エチカ』は完成していた,つまり現在の形になっていたので,スピノザは『国家論』の中で『エチカ』に直接的に言及することが可能でした。そして実際にそうしています。たとえば第一章の第二四節には『エチカ』というタイトルが出てきます。この時点で『エチカ』は出版されていませんでしたし,出版できる見込みもなかったのですが,スピノザは『エチカ』を出版し,その上で『国家論』も出版する心積もりであったと推測されます。
                                        
 『神学・政治論Tractatus Theologico-Politicus』では,『エチカ』に直接的に言及することはできなかったのですから,そのことをもってスピノザの倫理学と政治学の間に乖離があるのだとか,そのふたつは無関係なのだということはできません。そして『国家論』の方には『エチカ』に対する直接の言及があるのですから,そのふたつには関係があると考えなければならないのです。つまりスピノザの倫理学とスピノザの政治学は,別々に解すればよいというものではありません。
 次に,倫理学と政治学は,単に関係があるというだけでなく,倫理学が政治学の土台になっていると解さなければなりません。あるいはこうしたいい方が適切であるかどうかは分かりませんが,スピノザの倫理学はスピノザの政治学に対して,本性naturaの上で先立っていなければならないのです。それがどういうことを意味するのかといえば,スピノザは倫理学を背景として,実践的な政治学を展開していくということです。それとは逆に,何らかの目指すべき政治体制というものがあって,その政治体制を構築しまた持続させるために,それに適応するような倫理学が形作られていくのではないのです。この点は,ネグリAntonio Negriに対する批判的視点を構成し得ます。というのはネグリはネグリ自身が目指す政治体制というものが先にあって,その政治体制を土台から支える倫理学として,スピノザの倫理学を部分的に利用しているという見方が可能だからです。
 上野がスピノザの政治学に対して,スピノザの倫理学といっているのは,『エチカ』というのが倫理学を意味するからです。なのでこの倫理学というのは『エチカ』を意味すると解しても構いません。
コメント
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