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木戸侍従長は陸軍(強硬派)を抑えられるのは東条しかいないと天皇に上奏する。近衛のあまりの不甲斐なさが背景にあったが、その天皇信奉者の東条も期待に応えることができずに、戦時体制に突入していく。そもそも一国の工業力、産業力、諜報力の全てを動員する近代戦に戦陣訓で挑もうとしても勝ち目はない。「生きて虜囚の辱めを受けず」を強制したためにどれだけ有能な戦闘員を犠牲にしたことか。敵機との空中戦ができる錬度に達するまでパイロットは数千時間の訓練が必要とされる。米国は十分認識しそのためパイロットの救助を優先しミッドウエーでは潜水艦による救助部隊を編成している。日清、日露、第一次、大東亜にいたる戦争で一貫していることは軍部が戦争を「いくさ」と呼んでいること。伊地知参謀の203高地攻略は犠牲を厭わない、牟田口中将のインパールは補給を無視した稚拙な「いくさ」だった。終戦直前で主要都市が壊滅状態にいたっても陸軍は「いくさは最後の最後までわからない」と譲らない。これじゃあ勝てるわけがない。
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