国際空手道 修徳会 北海道本部 札幌道場稽古日記

北広島市輪厚地区で空手の稽古をしています。練習の内容や、イベント、雑多な情報などを画像で紹介します。

本の紹介

2013-12-30 11:59:44 | Weblog
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明治11年の「大背美流れ」を題材に、鯨とそこに住む村人たちの生きざまを短編集にまとめたもの。小説を読まない小生が解説するのも憚られるが…村を潤す、そして唯一の生活の手段である鯨漁を守るため、船上や岸の区別なく厳しい戒律が定められていた。藩の借金をも肩代わりするほどの経済力は村を藩から治外法権の場としていたために、規律を破ったものは時に村人の手によって葬られた。だが、不漁続きのその年、「背美の子連れは夢にも見るな」という禁忌を破ったことが原因で100名以上の死者、行方不明者を出す大惨事がおこり、太地の長い捕鯨の歴史は幕を閉じる。船上でのタブー破りは自らの命で償うほかないのだ。
だがそこには、開国後日本近海で行われるようになった米国の捕鯨により、日本の沿岸捕鯨の漁獲高が急速に落ちていった背景がある。国際化は数百年間守り続けてきた掟さえも破らせてしまう強大な力を持っていた。それに抗いきれなかった文化、民の悲哀と歴史の必然。もう一つの見方としては、米国の捕鯨は主に鯨油を取るために行われた。これは極めて機械的な行為で、洋上で捕獲された鯨は必要な鯨油を採取させたのちは海洋投棄された。必然的に生息数は激減。一方漁民は鯨のことを「夷様」と呼び敬った。もちろん鯨は余すことなく利用された。何が介在しているかお分かりになると思う。西洋の超合理的思想が、日本の一つの神を葬り去る瞬間、それまで漁民を守ってきた神が、西洋と同じ手法をとった鯨組に怒りの刃を向けた。こんなところかな。
さて今年も一年間お世話になりました。このブログは来年で足かけ9年続いたことになります。「空手のことはあまり書いていないね」とお叱りを受けますが、空手もそこそこがんばってやっています。機会あるごとに掲載したいと思います。また今年からface bookも始めました。まあ気張らずに頑張っていきます。来年も皆様にとって良い年でありますように。

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