重要な会議、特に労使交渉の際には、想定問答を用意するのが一般的。資料に盛り込めなかったり、言わずもがなの部分、また、あえて突っ込みどころを作り討論を白熱させる演出も行う。二、三人が目を通すと大方ミスのないものができあがるが、時に思いもよらない質問で苦しむことがある。今回の震災で常套句として使われたのが「想定外」。想定外の巨大地震。想定外の津波の波高。想定外の電源喪失。写真は想定範囲を大きく上回った津波により破壊された「津波の危険を伝える標識」。何と皮肉なことか。今後30年以内で東海地方を震源とする巨大地震が起こる確率は約90%。想定内であれば浜岡原発を停止させることは必然。経済界がなんと言おうと。「想定の範囲内」と表現したのは堀江貴文元ライブドア社長。先日最高裁で控訴棄却され近く収監が決まった。検察が事件を肥大化させるとは想定外だったのだろう。想定とは個々人の歴史や知識に依拠する。比較される貞観地震でさえ1000年ほど。それが数千年のスケールになれば…「真理は涯底あることなし、人知は反って窮極するところあり」=清沢満之。人間の想定とは所詮そんなもの。
最新の画像[もっと見る]
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます