評価=
歴史上の人物評価ほど鵜呑みにしてはならないものはない。来週封切られる映画「連合艦隊司令長官 山本五十六」では、開戦に反対する山本五十六の姿が描かれていると思うが、実はその後無謀ともいえるミッドウエー攻略作戦を強行し(真珠湾攻撃はさらに無謀だったが)、その結果虎の子の空母と多くの艦載機搭乗員を失った。帝国海軍の機動力はこの時点で喪失した。また今放映中のNHK「坂の上の雲」では旅順要塞攻略のため、肉弾戦で多くの哨兵を死に追いやった伊地知第3軍参謀長を無能だったとこき下ろしているが、当時としては一般的戦術で、むしろ弾薬が枯渇させた責任は大本営にある。司馬遼太郎の分析は一方的すぎるとの説もあるほどだ。帝国海軍も陸軍の独走へのブレーキ役とする旧来の評価から、今ではむしろ戦線拡大思考が強かったのは海軍だったとされる。歴史は常に検証が必要なのだ。
歴史上の人物評価ほど鵜呑みにしてはならないものはない。来週封切られる映画「連合艦隊司令長官 山本五十六」では、開戦に反対する山本五十六の姿が描かれていると思うが、実はその後無謀ともいえるミッドウエー攻略作戦を強行し(真珠湾攻撃はさらに無謀だったが)、その結果虎の子の空母と多くの艦載機搭乗員を失った。帝国海軍の機動力はこの時点で喪失した。また今放映中のNHK「坂の上の雲」では旅順要塞攻略のため、肉弾戦で多くの哨兵を死に追いやった伊地知第3軍参謀長を無能だったとこき下ろしているが、当時としては一般的戦術で、むしろ弾薬が枯渇させた責任は大本営にある。司馬遼太郎の分析は一方的すぎるとの説もあるほどだ。帝国海軍も陸軍の独走へのブレーキ役とする旧来の評価から、今ではむしろ戦線拡大思考が強かったのは海軍だったとされる。歴史は常に検証が必要なのだ。