晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
マイペースで備忘録はまだまだ続きます。

M9.0

2011-03-13 15:08:31 | 2010.07から東北大震災直後までの日誌
今朝の5時過ぎの余震で目が覚めた。昨日よりだいぶ減っなってたがそれでも11時台や5時過ぎは震度3で敏感になってしまった。この大震災は気象庁がM8.8から9.0に修正があった。記録では世界歴代5位、スマトラ沖地震に匹敵するという。千葉で受けた震度6弱は人生初体験だがこれから3日以内にM.7以上の発生確立が70%以上とのこと。まだまだ予断は許さない。
今日はワイフの携帯修理と固定電話購入に。直営店は2駅先のイオン3階だが閉鎖していて骨折り損。イオンの営業も入口コーンコースで水や乾きものなど非常食のみの営業。それでも長蛇の列だった。あきらめて2駅戻って地元のヤマダ電機へ。手前のイトーヨーカドーは通常営業中。レジの列は大混雑だったが、ヨーカドーの頑張りに軍配を上げたい。ヤマダは節電のため照明を半減、従業員もいつもより少なかったが、我が家と同じような客が多かった。我が家の損害は約1万円で済んで、助かっている。被災地では家族を失ったり命からがら逃げ全てを亡くした人々が数えきれない。こころからお悔やみを申し上げたい。
ゴルフWGCキャデラック選手権3日目はD・ジョンソンが通算13アンダーでTOP。石川遼は3バーディ1ボギーの70で廻り、通算5アンダーの16位タイ。自身ツアー最高位が狙えそうな位置に付けた。タイガーは2アンダーの30位T、藤田が2オーバーの50位T、池田が5オーバーの58位T。大震災を知った日本人選手は精神状態に少なからず影響があっただろう。最後まで頑張って欲しい。
いつもならスポーツ満載の日曜日だが全て中止だ。来週はどの程度正常化されるのだろうか?

M8.8

2011-03-12 15:53:44 | 2010.07から東北大震災直後までの日誌
余震が頻繁に続き、流石に眠れない。幸い我が家は停電もなかったが、固定電話が壊れて通じない。おまけにワイフの携帯が壊れていたので私の携帯とパソコンだけが頼りの通信手段。心配した娘夫婦が車で様子を観にきてくれた。普段疎遠だが、いざという時家族とはありがたいものだと実感した。
2時間ぐらい眠れたが、4時前の新潟・長野の地震で目が覚める。おまけに東北・太平洋沖地震の余震がたびたびあり夜明けまでラジオを聴いていた。
TVの映像を観ると未曾有の惨状だ。東京で夜明かししたひとも大変だろう。
取り敢えず友人・知人へ無事を伝えるためメールしたが、電話の通話はできず、一歩通行のまま連絡できないヒトが何人かいる。
ひとまずワイフと買い出しへ。地元のスーパーはいつもより多く開店待ち。バナナと缶詰を非常食用に購入。
あとは野菜不足にならないように、これで3日間は大丈夫だ。今夜は停電のないことを祈る。

『ラスト・オブ・モヒカン』 80点

2011-03-11 14:01:16 | (米国) 1980~99 

ラスト・オブ・モヒカン

1992年/アメリカ

M・マンが想いを込めて描いた米建国前の秘話

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shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 80

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆80点

ビジュアル ★★★★☆85点

音楽 ★★★★☆80点

19世紀の小説「モヒカン族の最後」をもとにした、18世紀建国前のアメリカ東部で起きた「ウィリアム・ヘンリー砦の戦い」が舞台。ネイティブ・アメリカンに育てられた英国人開拓者孤児と英国大佐の娘の愛をモチーフに描いた壮大な歴史ドラマ。
何度も映画化された歴史ドラマらしいが、筆者はこれが初見。製作・脚本・監督のマイケル・マンが3年掛かりで想いを込めて作り上げている。建国前のアメリカは英国とフランスの領土争いとネイティブ・アメリカンが複雑に絡み合う。
主役を演じたのはモヒカン族チェンガチェックの息子・ホークアイのダニエル・デイ=ルイス。逞しい肉体と俊敏な動きはイメージどおりの素晴らしさ。ヒロイン・コーラのマデリーン・ストーンも凛とした美しさ。この2人のラヴ・ストーリーが中心だが2人を取り巻く人々の描き方もかなりのウェイトが割かれていて若干纏まりに欠けるきらいがある。とくに後半はチェンガチェックや息子のウンカスの場面も多くともに主役級の大活躍。M・マンは出番は少ないがチェンガチェックを主役にしたかったのでは?と思えるほどのシナリオになっている。
美しく壮大な情景、時代考証に忠実な数々の衣装・砦・武器など本物感を楽しめた。


石川遼暫定2位、そして宮城県沖大地震

2011-03-11 10:53:46 | 2010.07から東北大震災直後までの日誌
今日は風もなく快晴で、午後から崩れる予報が信じられない。
今日から始まったWBCキャデラック選手権は雷雨で遅れ殆どの選手がホールアウトできなかった。注目の石川遼が5アンダーの好スタートを切ってTOPと2打差の暫定2位は文句なく素晴らしい。藤田は1アンダー、池田は1オーバーと出遅れたがまだ先は長い。この大会は6勝と相性がいいT・ウッズは相変わらず出遅れ1アンダーで初日を終えている。ゴルフとは関係ないがタイガーの髭は気分転換なのだろうがあまり似合わない。早く優勝カップを手にした白い歯の笑顔がみたい。
午後イヤホンを耳にラジオを聞きながらウォーキング中、緊急地震速報。宮城県沖だと想いながら聞いていると自宅前でめまいがした。地震だ!いままで経験したことがない大きく長い揺れで思わず芝に腰をおろしてしまった。3時前なのにいまだに余震がある。M8.4で震度7は大地震だ。家のなかでは電話が落ち、仏壇の小物、食器が崩れた状態。まだ予断を許せない。

『英国王のスピーチ』 80点

2011-03-06 11:16:51 |  (欧州・アジア他) 2010~15




英国王のスピーチ


2010年/イギリス=オーストラリア






小品ながらウィットに富んだオスカー作品





プロフィール画像

shinakamさん


男性






総合★★★★☆
80



ストーリー

★★★★☆
80点




キャスト

★★★★☆
85点




演出

★★★★☆
80点




ビジュアル

★★★★☆
80点




音楽

★★★★☆
80点





 この年のオスカー主要4冠を獲得した作品。エリザベス女王の父ジョージ6世が吃音に悩ませられながらスピーチしたという史実をもとに、小品ながらウィットに富んだ人間ドラマに仕上がって静かな感動を呼ぶ。
 「君臨すれども統治せず」という立場の時代背景の国王にとって最大の武器はスピーチ。国王といえども人間である。現に兄・後のエドワード8世・デーヴィッド王子は「王冠を賭けた恋」として名を馳せ王位をなげうったために回ってきた王位である。まして吃音というコンプレックスを抱えた苛立ち。ヘビー・スモーカーで激情家でもあった人間国王を描いたデヴィッド・サイドラーの脚本はなかなか巧妙。
 ヨーク公エドワード王子・後のジョージ6世を支えたのは妻のエリザベス。大らかさと慈愛に満ちた態度で絶えず夫を励まし続ける。王太后として21世紀101歳でこの世を去るまで英国皇室のシンボルとして人気のあったひとでもある。もうひとりはこの作品の主役といっても過言ではないライオネル・ローグというひと。まだ英領だったオーストラリア人で舞台に立ちたくてロンドンへ渡ってきた実在の人物で、長年ジョージ6世のスピーチ矯正に貢献した。何から何まで環境が違う2人の友情物語を主軸に激動の時代背景を切り取って魅せたところにこの作品の価値がある。
 主演のジョージ6世を演じたコリン・ファース、エリザベスのヘレナ・ボナム=カーター、ライオネルのジェフリー・ラッシュとも好演で3人に支えられた作品でもある。監督賞受賞のトム・フーバーは40歳とは思えぬオーソドックスな手堅い演出。勢いでオスカー受賞となったが才能発揮はこれからだろう。
 脚本賞の大ベテラン、デヴィッド・サイドラーは30年前に完成したが王太后存命中は映画化の許可が下りなかったという。その胸の内は推測の域をでないが、夫の吃音をこれ以上有名にしたくないと思ったことより、親ナチだったという英国王室や第2次大戦の開戦スピーチをしたという史実を、たとえフィクションであっても残して欲しくないと思ったからだろう。
 この作品を「史実をねじ曲げたファンタジー」という評論もある。史実はどうであれ、さきに作られた「クイーン」といいこの作品が開かれた英国皇室だという証明でもある。




『翼に賭ける命』 85点

2011-03-02 15:25:47 | 外国映画 1946~59

翼に賭ける命

1957年/アメリカ

さすが!メロドラマの巨匠D・サーク

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shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 85

ストーリー ★★★★☆85点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆85点

ビジュアル ★★★★☆85点

音楽 ★★★★☆80点

ノーベル賞作家ウィリアム・フォークナー「パイロン(飛行標識灯)」をダグラス・サークが監督。ジョージ・ザッカーマンの脚色、主演ロック・ハドソンは「風と共に散る」と同じトリオ。メロドラマの巨匠という名称はD・サークが最も嫌っていたらしいが、この作品は本人も念願の映画化で文句はないだろう。
あえてモノクロで撮ったのは大恐慌時代という暗い時代の雰囲気を出すためらしいが、CGのない時代に迫力ある曲芸飛行を映像化したことも影響があったのでは?撮影のマーヴィング・グラスバーグの手腕によるところ大である。
第一次大戦の英雄ロジャー(ロバート・スタック)は曲芸飛行士として身を立てるしかなく妻で曲芸ジャンパーのラヴァーン(ドロシー・マローン)、整備士ジッグス(ジャック・カーン)で旅廻りをする間柄。息子のジャックは父親がどっちだと揶揄される始末で、偶然記者のバーク(R・ハドソン)に助けてもらう。
記者の目を通して映った曲芸飛行家の暮らしは命懸けで人間愛とプライドに満ちていた。バークはラヴァーンへの想いもあり、スポンサーを取持ったり編集長とケンカしてクビになったり粉骨砕身するが...。
D・マローンは絶世の美女ではないが妖艶で、先ずパラシュートで降りてくるシーンの美脚で目を奪う。さらに自暴自棄になりながら一途な愛を生きるヒロインを好演している。R・ハドソンも甘いマスクと堂々とした体躯がジャーナリスト魂と上手くマッチしてなかなか良かった。
イチバン気の毒だったのは片想いの整備士ジッグスで、過酷な運命に苛まれることに。自分がジッグスだったら立ち直れないと思わずにいられない。二枚目俳優トロイ・ドナヒューが若手飛行士役で出ているのもファンには見逃せない。
ギリシャ神話のような個人では避けよううもない宿命的なテーマだが、爽やかなラスト・シーンも好感が持てる。こんなメロドラマなら、男たちが観ても充分楽しめそう。


『ヒア アフター』 85点

2011-03-01 11:54:12 | (米国) 2010~15

ヒア アフター

2010年/アメリカ

エンディングの心地良さにイーストウッドの美学を堪能

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shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 85

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆80点

演出 ★★★★☆85点

ビジュアル ★★★★☆85点

音楽 ★★★★☆85点

S・スピルバーグがピーター・モーガンの脚本を見せC・イーストウッドを監督にと口説いた作品。死に直面した3人を題材に、生きることの大切さを改めて考えさせてくれる。
パリのジャーナリスト・マリー(セシル・ドゥ・フランス)はヴァカンス中に東南アジアで津波に遭い臨死体験をする。シスコのジョージ(マット・デイモン)は霊能力者という特異な能力が災いし孤独感を味わう。ロンドンのマーカス(フランキー・マクラレン)は双子の兄ジェイソンが突然事故死し、自分の分身でもある兄との再会を一途に願う。いかにもスピルバーグが好みそうなテーマである。
誰でも遭遇しそうな天災と事故で死と向き合い大切なヒトと心ならずも別れる2人。他人の死に介入し願いを叶えるたびに普通の生活から疎外されるジョージ。ジョージが何故霊能力を持つようになったかは本人が料理教室でであったメラニーに語っているが、その信ぴょう性を疑うとドラマは進まない。何の関わりもない筈の3人が終盤で上手く絡んでゆく脚本は「クイーン」「フロスト×ニクソン」同様心理描写が丁寧だ。
冒頭の大津波のシーンはCGを駆使した大迫力で水中でのリアル感は息苦しくなるほど。ロンドンの地下鉄の爆発といい最新の映像に挑む姿勢は若手なら当たり前かもしれないが80歳のイーストウッドが見せてくれただけで感動もの。とはいえときには物足りないほどの余韻を残した独自の美学を貫いている。淡々としながら枯れていないみずみずしい空間は、ジワリと観客の心に沁み入ってくる。エンディングの音楽まで担当したイーストウッド。来世をテーマにしながら「人生は贈り物。人は与えられた生を精一杯謳歌すべき」という人生哲学を映像化してくれた。