熱海殺人事件
1986年/日本
舞台向きなブラック・ユーモア
shinakamさん
男性
総合 70点
ストーリー 70点
キャスト 80点
演出 70点
ビジュアル 70点
音楽 80点
’73初舞台以来何度も上演された、つかこうへいの代表的戯曲の映画化。
警視庁のお騒がせ、くわえ煙草の伝兵衛こと二階堂部長刑事が担当する殺人事件は世間を騒がせるような一流でないと気が済まない。単純な動機の殺人事件を立派な?事件に仕立てようとする。13年経ってもその斬新さは失っていないが、独特のブラックユーモアはやっぱり舞台向きで映画化には無理がある。つかこうへい自らのシナリオにこの作品が初監督の高橋和男が気を遣いすぎたのか俳優の熱演が浮いてしまって空回り。
大物・仲代達矢を始め俳優達が真面目にやればやるほど冷めてしまい、ついて行けない。常連・風間杜夫のハイテンションぶりと志穂美悦子のビルからビルへ飛ぶ見せ場のアクションが用意されているが、3人の絡みの面白さが出ていない。大滝秀治・コント竹田クンの独特の存在感も全体の流れにつながらなかった。やはり、舞台の最前列でリラックスしながら出演者たちの大奮闘を味わう快感には及ばない。