晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
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『幕末』 75点

2011-03-24 16:22:13 | 日本映画 1960~79(昭和35~54)

幕末

1970年/日本

良くも悪くも重厚な錦之助・竜馬

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shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 75

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆90点

演出 ★★★★☆80点

ビジュアル ★★★★☆80点

音楽 ★★★★☆80点

中村錦之助の独立プロが作った幕末の英雄・坂本竜馬の物語。監督・脚本は伊藤大輔で、重厚な演出が目立つ本格時代劇。
5社協定で縛られていたスターの専属が解禁され錦之助・吉永小百合・三船敏郎・仲代達矢という豪華キャストによる夢の共演が魅力。
幕末の志士たちは30歳前後だが錦之助を始めかなり貫録がありすぎるのが難。錦之助の竜馬と後藤象二郎の三船が画面いっぱいに映ると大政奉還はもう実現したかのよう。この作品のハイライトは天下国家を熱く語る竜馬と中岡慎太郎(仲代達矢)。良くも悪くも自分の世界にのめり込む錦之助をどちらかと言うと同質の仲代が受け身の演技で支えている。土佐藩は上士と下士(郷士)の差が未だに残る独自の階級社会。そのシーンを描いた冒頭はなかなかいいシークエンスで期待が膨らんだが、竜馬が現れた途端、雰囲気が重くなってしまった。若い可憐なお龍役の吉永小百合が一服の清涼剤。