晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
マイペースで備忘録はまだまだ続きます。

『ホルテンさんのはじめての冒険』 80点

2009-03-28 16:41:45 | (欧州・アジア他) 2000~09

ホルテンさんのはじめての冒険

2007年/ノルウェー

ゆっくりしたテンポが心地良い

総合★★★★☆ 80

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆80点

演出 ★★★★☆85点

ビジュアル ★★★★☆85点

音楽 ★★★★☆80点

「キッチン・ストーリー」「酔いどれ詩人になるまえに」のノルウェー監督ベント・ハメールが製作・脚本も手掛けた。定年を迎えた鉄道員を主人公にしたメランコリー(哀愁ただよう)・ユーモア作品。同じ北欧のアキ・カウリスマキと共通するゆっくりしたテンポがとても心地良く、小津作品にも通じるものがある。鉄道マニアにはチョッピリ物足りないかもしれないが、雪景色を走る列車や運転席から見るトンネルの映像は楽しい。
退職前日も、いつもどおりサンドウィッチとコーヒーをカバンに詰め、小鳥に被いをしてから出勤するベルゲン急行の運転士・ホルテン(ボード・オーヴェ)さん。無口で真面目な彼が送別会で思わぬことに遭遇して寝過ごし、初めて遅刻するハメに。
遅刻の原因になった少年との出会いや、サウナで靴を亡くし赤いハイヒールで街に出たり、尻餅をついたまま坂道を下る老人など随所にくすぐりはあるものの、むしろ<孤独とその先にある死>が全編に漂う。
風向明媚で失業率が2.7%、67歳定年の豊かな福祉国家にも、孤独を癒すスベは難しいらしい。独身の彼には年老いた母がいて、孤独と死が身近にある。自称・元外交官シッセネール(エスペン・シヨンバルグ)との目隠しドライブにも同乗したり、行きつけのタバコ屋では夫人(ギタ・ナービュ)から店主の死を知らされ、何度もマッチを取りに戻る認知症の老人を見る。全てが今までの生活では経験しないことばかりで困難に出会うと逃げてばかりいる受身の彼が、ある想いに駆られ初めて自ら行動に出る。これが冒険だった。
47億年も宇宙を旅していた隕石も旅の途中だというシッセネールの言葉「人生は手遅ればかりだが、逆に考えればいつだって間に合う」が印象深い。<何事にも遅すぎることはない>というメッセージが心に沁みる。
カンヌのパルム・ドッグ賞を受賞したモリー(犬の名前)をはじめギタ・ナーヴェ、エスペン・シヨンバルグなどの名優に囲まれ、朴訥とした風貌のボード・オーヴェがほのぼのとした雰囲気をたっぷり醸し出していた。


『エヴァの匂い』 80点

2009-03-26 12:58:43 | 外国映画 1960~79

エヴァの匂い

1962年/フランス

容赦しない辛らつな女を演じたJ・モロー

総合★★★★☆ 80

ストーリー ★★★★☆75点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆80点

ビジュアル ★★★★☆85点

音楽 ★★★★☆80点

ジャン・コクトーが主演のジャンヌ・モローに薦めたジェームズ・ハドリー・チェイスの小説を、赤狩りで米国を追放されたジョセフ・ロージー監督で映画化。当時34歳だったJ・モローが極めつけのファム・ファタールぶりで話題となった。
デビュー作が映画化され一躍有名になった作家テヴィアン(スタンリー・ベイカー)は、美しい恋人フランチェスカ(ヴィルナ・リージ)とヴェネチュア映画祭のパーティで次回作の期待で盛り上がっていた。その夜トルチェッロ島の自宅へ戻ると見知らぬ男女が勝手に上がり込んでいた。
女はエヴァ(J・モロー)といい、風呂上りでタバコを吹かしながらビリー・ホリデイの「WILL WEEP FOR ME」(柳よ泣いておくれ)を聴いていた。
出逢いから曰くありげな2人が、刹那的な享楽を繰り返し、その果てに大切なものを失い虚しさだけが残る。エヴァの<この世で一番好きなものはお金で嫌いなものは男..。次が年老いた女>と言う台詞が残酷。社交界の花形には不似合いな元炭鉱夫上がりで、能力のない惨めな男には、魅惑的な女のトリコになるのは必然だろう。
観ていて、こんな女に何で入れあげるのだろうか?と思うが、アダムとイヴの人類誕生から現在まで、男が破滅するのは宿命なのか?エヴァはイヴのフランス語名なのは遇然ではないような気がする。
J・モローは決して美人ではないしスタイルも良くないのに、一瞬のしぐさや表情に何ともいえない魅力がある。白いコートで歩く後姿に惹きつけられるが、ピエール・カルダンと浮名を流していた実生活を髣髴させる。
ロージー監督は、斬新な映像とクールな演出でJ・モローを引き立てる。お洒落なクールジャズを使ったミシェル・ルグランの音楽も聴きどころだが、チョッピリ耳障りなところも。


『太陽はひとりぼっち』 85点

2009-03-23 10:21:15 | 外国映画 1960~79

太陽はひとりぼっち

1962年/イタリア=フランス

イタリア・ネオ・リアリズムの代表的映像

総合★★★★☆ 85

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆85点

ビジュアル ★★★★☆85点

音楽 ★★★★☆85点

ミケランジェロ・アントニオーニ監督の「情事」「夜」と並ぶ<不毛の愛・3部作>原題は「日食」。邦題は、アラン・ドロンの「太陽がいっぱい」を意識したものだろうが、テイストはまるで違う。イタリア・ネオ・リアリズムの代表的映像で、都会の欲望と倦怠感を表現してカンヌ国際映画祭の審査員特別賞を受賞した。
ミーナの主題歌が途中で途切れ、突然不気味な管楽器に変りタイトルバックが流れる。重なるように冒頭は美しいカットが続き、花瓶が割れる異様に長いシーンとなって、これからの不安を暗示させ目が離せなくなる。
ヒロイン・ヴィットリアには監督お気に入りのモニカ・ヴィッティ。
何を尋ねても「わからない...。」という台詞が印象的で、無機質な都会で暮らす女性の焦燥と孤独感を良く表現している。とても知的で官能的だ。
対する証券取引所仲介人・ピエロのアラン・ドロンは都会の代表的な若者。美形だが、軽薄・冷淡で底が浅いブランド好きである。
閑散としたコンクリートの団地・横断歩道・殺伐とした公園・ドラム缶から流れる汚水。2人を取り巻く周囲の情景が、寂寥感たっぷり。アントニオーニの独特なフィルムアートの世界に惹き込まれる。
約半世紀前の作品なのに、株の大暴落による取引所での喧騒振りが、まるで現在の資本主義経済での社会不安を象徴するかのよう。バスから降りた男の新聞に掲載された核開発競争の記事が、しっかりと末来への警告となっている。


『ダウト-あるカトリック学校で-』 80点

2009-03-15 17:21:08 | (米国) 2000~09 

ダウト-あるカトリック学校で-

2008年/アメリカ

悪意がないと疑惑は生まれない?

総合★★★★☆ 80

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆90点

演出 ★★★★☆85点

ビジュアル ★★★★☆80点

音楽 ★★★★☆80点

「月の輝く夜に」の脚本家ジョン・パトリック・シャンリが自身の戯曲をもとに監督・脚本を手掛けた’64NYブルックリンのカトリック教会学校で起きた心理サスペンス・ドラマ。
伝統を守る厳格な校長シスター・アロイシス(メリル・ストリープ)と、リベラルで生徒にも人気があるフリン神父(フィリップ・シーモア・ホフマン)が、唯一の黒人生徒ドナルド・ミラーを巡っての緊迫感溢れるバトルがハイライト。2人のオスカー俳優の舌戦はトニー賞受賞の舞台劇さながら15分あまり続くが、その前哨が静かなだけに嵐のような激しさでこのサスペンスを盛り上げてくれる。
キッカケを作ってしまった新米教師のシスター・ジェイムズ(エイミー・アダムス)は、2人の狭間でオロオロする。その疑惑とは神父と生徒の不適切な関係。もっともこの2人は教育方針・食事・嗜好品など何から何まで正反対で、そのどちらにも部分部分で共感してしまう若い教師には手に負えない。
M・ストリープは殆ど完璧な役作りで、神をも恐れぬ確信を持った言動で観客を魅了する。
対するP・S・ホフマンは如何にも裏に何かを隠していそうで疑惑を持たれそうな風貌で、分が悪そう。しかし確証は何もない。
ここで生徒の母親・ミラー夫人(ヴィオラ・デイヴィス)が登場し、意外な事実を告げることで形成は逆転する。
4人とも逃してしまったが、オスカー候補となっただけあってこのアンサンブルは見事と言っていい。とくに出番は少ないものの、偏見を持たれながらも息子を愛する毅然たる母親役のV・デイヴィスの演技は最も印象に残る。助演女優賞を獲って欲しかった。
この映画は真相を明かすことがテーマではなく、「疑惑と確信の狭間で揺れる人間模様」を巧みについて、誰でもこのような経験があるのでは?と問いかけてくる。国家でも人間でも疑惑は悪意がないと生まれない?争いがナカナカ無くならない理由もそこにある。


『デルス・ウザーラ』 85点

2009-03-12 15:49:55 | 外国映画 1960~79

デルス・ウザーラ

1975年/ソ連

もう一度大画面で観てみたい

総合★★★★☆ 85

ストーリー ★★★★☆85点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆85点

ビジュアル ★★★★☆85点

音楽 ★★★★☆85点

ロシアの人気作家、ウラジミール・アルセーニエフの「シベリアの密林を行く」「デルス・ウザーラ」をもとにロシア文学を敬愛した黒澤明監督が映画化した旧ソ連映画。アカデミー賞外国語映画賞受賞作品。
20世紀初頭の帝国ロシア時代。シベリア沿海地方への地質調査隊アルセーニエフ隊長と森林で狩猟する孤独なゴリド人(ナナイ族)デルスの交流を通して、大自然への敬意をドキュメント風に描く叙情的物語。
第一部は2人の出会いと、デルスが天然痘で妻子を失いながらも風・水・火を敬い動物を友に暮らす大自然と共生する様子が描かれる。とくにハンカ湖付近での、自然の猛威に晒されながらの野営シーンが圧巻。2人の友情はこれで深まったこの15分のシーンに撮影は10日間にも及んだという。「カプテン」「デルス」と呼び合い別れを惜しみながら再会を誓って第一部は終わる。
これだけでも映画は充分成立するが、第二部で再会する5年後はこの地方にも開発による変化が見られ自然とともにデルスも老いが忍び寄る...。
黒澤監督は’70作品「どですかでん」の興行不振、ハリウッド進出の不成立、自殺未遂と失意の底にいてこの作品がカムバック第一作。かつて三船敏郎主演・久板栄二郎脚本で北海道を舞台に「蝦夷探検記」を企画した経緯があった。それだけにこの作品への想い入れは並大抵ではなく、本作もデルス役を三船に打診したという。結局実現しなかったが、もっとアップの多い人間ドキュメントの映像になっていただろう。
慣れないソ連のスタッフやフィルムには不満や苦労はあっただろうが、一味違う黒澤作品に仕上がった。もう一度大画面で観てみたい。


『卒業の朝』 80点

2009-03-08 13:59:49 | (米国) 2000~09 

卒業の朝

2002年/アメリカ

社会の矛盾に教師の挫折と喜びを描く

総合★★★★☆ 80

ストーリー ★★★★☆85点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆80点

ビジュアル ★★★★☆80点

音楽 ★★★★☆80点

イーサン・ケイニンの短編をマイケル・ホフマン監督、ケヴィン・クラインが教師役で主演したヒューマン・ドラマ。
学園ドラマの定番は反抗する生徒が熱血教師の指導により心を改め、立ち直り社会へ旅立つというもの。この映画はその風情を途中まで見せながら25年振りの再会で、良い意味で期待を裏切る。
ヴァージニアの名門男子校の西欧史教師ウィリアム・ハンダート(K・クライン)は、「教育は教えるだけでなく人格形成も担っている」という信念をもって指導している。転入してきたセジウィック・ベル(エミール・ハーシュ)は上院議員の父(ハリス・ユーリン)を持ち、何かと反抗的でクラスの問題児。彼の資質を見抜いたウィリアムは忍耐強く指導するうち向学心が芽生える。
ここまでは予想通りの展開だが、ちょっと気になるのは、ルールを守らず図書館で参考書を借りるのをバックアップしたり、学園名物のイベント「ジュリアス・シーザー コンテスト」の出場権を与えるために点数を増やしたりした思い遣り。このことが後に老教師の心の隅に残ってしまう。
人格形成に教育が影響するのは事実だが、環境や本人の資質によるところも大きいことを知らされる。
K・クラインの教師役はぴったりな<はまり役>だが、「美徳と信念を持って生きる教師振り」は秀逸だ。
アメリカで上映時、ベルのモデルがJWブッシュがではないかといわれるほどのストーリー。終盤は現代社会の矛盾を味わいながら老境に入った教師の挫折と喜びが静かな感動とともに描かれている。
<未熟な者は成長し、無知な者は学び、酔いは醒める。だが愚かな者は永遠に愚かである。>という感慨深い言葉が印象に残る。


『イヴの総て』 85点

2009-03-07 15:26:18 | 外国映画 1946~59

イヴの総て

1950年/アメリカ

60年たっても色褪せないテーマ

総合★★★★☆ 85

ストーリー ★★★★☆90点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆85点

ビジュアル ★★★★☆85点

音楽 ★★★★☆80点

ジョセフ・L・マンキーウィッツが「三人の妻への手紙」に続いて監督・脚本化したブロードウェイのバックステージを描いた人間ドラマ。彼の2年連続オスカー獲得作品でもある。
アメリカ演劇界の最高賞セイラ・シドンス賞の表彰式、栄えある栄冠を得たのは新進女優イヴ・ハリントン(アン・バクスター)。それを複雑な思いで見るのは大女優マーゴ・チャニング(ベティ・デイヴィス)、劇作家のロイド(ヒュー・マーロウ)とその妻カレン(セレステ・ホルム)。ナレーションは批評家のアディソン(ジョージ・サンダース)からカレンに引き継がれ回想シーンへ。
田舎から出てきたイヴはカレンの紹介で、憧れのマーゴの付き人になる。<控え目で・良く気が利き・清楚な>イヴは大胆不敵な野望を秘めていて、徐々に本性を現し始める。
何といっても大女優のマーゴ(B・デイヴィス)と新進女優イヴ(A・バクスター)の絡み合いが最大の見所。マーゴは、役柄をほとんど地で行く我が侭な大女優で、最初はどう見ても好感を持てない。若い役が不釣合いになる40歳を迎えた女優を続ける不安と、女優を辞めて女として幸せを選ぶかの迷いが見え始めると、その純粋さに同情の思いが募ってくる。
対するイヴは、野望をひた隠しにしながら次第に周りに取り入って世渡り上手な裏面性を見せると、こちらのほうが性質が悪いと思わせる。
人間の欲望を赤裸々に描いた本作は60年たっても色褪せない普遍性をもったテーマである。
因みにB・デイヴィスとA・バクスターはアカデミー女優賞にノミネートされたが、表が割れ2人とも逃してしまった。オスカーを争ったビリー・ワイルダー監督の「サンセット大通り」も元大女優のハナシだが、内容が暗くて逃している。本作品が獲得したその要因のひとつに、人生の教訓を暗示するシャレたラストシーンが効いたのかもしれない。
女優の卵の端役で出演したマリリン・モンローが、2年後大ブレークしたのもこの作品の内容とリンクしていて大変興味深い。


『ナバロンの要塞』 80点

2009-03-06 12:31:54 | 外国映画 1960~79

ナバロンの要塞

1961年/アメリカ

「七人の侍」を想わせる人間描写

総合★★★★☆ 80

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆80点

ビジュアル ★★★★☆85点

音楽 ★★★★☆80点

アリスティア・マックリーンの原作をカール・フォアマンが脚色、J・リー・トンプソン監督作品。第二次世界大戦下、ギリシャ・エーゲ海、ケロス島の英軍を救うため派遣された6人の救助隊の物語。
戦争映画だが反戦思想でも美化でもなく、スリル満点な冒険活劇の風情である。リーダーのマロリー大尉(グレゴリー・ペック)を筆頭にした人間像は「七人の侍」を想わせ、とても丁寧な描き方で好感が持てる。
なかでも爆破名人で皮肉屋・ミラー伍長(デビット・ニーヴン)が魅力的。無骨なスタグロウ大佐(アンソニー・クイン)とマロリーの友情も類型的ながら前半のヤマ場。スリリングなシーンが何度も出てきて147分を飽きさせない。
原作にはない2人の女性が彩りをそえて、男臭い物語に変化を持たせているのも成功した要因だろう。
何より、CGなどない時代にこれだけ波乱万丈のロケを敢行したスタッフに敬意を表したい。


『地上より永遠に』 80点

2009-03-05 16:08:30 | 外国映画 1946~59

地上より永遠に

1953年/アメリカ

赤狩りのときに映画化したことが評価に繋がった

総合★★★★☆ 80

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆80点

ビジュアル ★★★★☆85点

音楽 ★★★★☆80点

ジェームズ・ジョーンズの原作をフレッド・ジンネマン監督・ダニエル・タラダッシュ脚本で映画化。軍隊を赤裸々に描いているこの小説を、赤狩りの最中に作ったことが評価に繋がったのか?アカデミー賞・作品賞を始め最多の8部門を獲得している。
元ボクサーのブルー(モンゴメリー・クリフト)がハワイに配属されてくる。ホームズ大尉(フィリップ・オーバー)率いるボクシング部に入ることが条件だった。親友を傷つけた過去があるブルーは、ウォーデン曹長(バート・ランカスター)のアドバイスにも係わらず拒否する。
後の<愛と青春の旅立ち>と同様、軍隊の過酷な内部や対立・友情を描いているが、決して美化していないところに特長が見られる。
B・ランカスターとM・クリフトフのW主演のせいか、どっちつかずの感があるが、長編を程よい長さで纏めた脚本の手腕が見事である。
マッヅィオ2等兵役はフランク・シナトラが熱望していた役で助演男優賞を獲得しているが、逸話もある。のちに映画「ゴッド・ファーザー」で売れない俳優・歌手が、この役を得られるようにファミリーに頼み込むエピソードとして描かれていた。
いま見ると普通だが、B・ランカスターとデボラ・カーのダイヤモンド・ヘッド近辺のラブシーンが話題となり観光名所になったのでも有名。
軍隊には世界共通の過酷なイジメがつきものだが、アメリカの軍隊は優雅で休日はクラブで飲み放題だし上司の奥さんと不倫したりで、自由度がまるっきり違う。日本のパール・ハーバー攻撃は無謀だった。


『ワーキング・ガール』 75点

2009-03-02 15:50:53 | (米国) 1980~99 

ワーキング・ガール

1988年/アメリカ

いま見るとお宝映画?

総合★★★★☆ 75

ストーリー ★★★★☆75点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆75点

ビジュアル ★★★★☆75点

音楽 ★★★★☆80点

NYウォール街を舞台にした働く女性の物語。マイク・ニコルズ監督、メラニー・グリフィス主演のラブ・コメディ。
共演がハリソン・フォードとシガニー・ウィヴァー。脇役にアレック・ボールドウィン、ケヴィン・スペイシーと豪華で、若かりしスター達を見るだけでも楽しい。おまけに主題歌がカーリー・サイモンで、いま見るとお宝映画?
経済危機の今日、何と安易なストーリーだと思うが、封切り時の日本はバブル絶頂期でこんなハナシもシンデレラ・ストーリーとして受け入れる雰囲気があったのかも。もっとも「プラダを着た悪魔」を20年後見たら同じ感想になるかもしれない。