晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
マイペースで備忘録はまだまだ続きます。

『血と砂』 80点

2010-02-23 12:16:58 | 日本映画 1960~79(昭和35~54)

血と砂

1965年/日本

娯楽活劇と反戦を融合させた戦争映画

総合★★★★☆ 80

ストーリー ★★★★☆75点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆80点

ビジュアル ★★★★☆80点

音楽 ★★★★☆80点

「独立愚連隊」など縦横無尽な戦争活劇で知られる岡本喜八監督が、三船プロのバックアップを得て反戦映画を融合させた。主演の三船敏郎はこの年「赤ひげ」「姿三四郎」のほか2本に出演している。そのバイタリティには感嘆するほかない。
ときは昭和20年の北支戦線。いきなり敵の音楽「聖者の行進」が流れ、デキシーランドジャズと日本軍というミスマッチに面食らう。が、そのテンポの良さに見入ってしまう。
これは音楽学校の少年軍楽隊13人の少年たちで戦線派遣を反対した小杉軍曹(三船敏郎)が佐久間大尉(仲代達矢)傘下の独歩大隊へゆく途中であった。
古参兵には炊事係の犬山一等兵(佐藤允)葬儀屋の持田一等兵(伊藤雄之助)厭戦のため三年営倉入りの通信兵・志賀一等兵(天本英世)など個性豊か。紅一点の慰安婦お春(団令子)も欠かせない。それぞれが人間性を見せながら、戦場では正義も悪もなく殺し合いしかない虚しさをコミカルに描きながら見せてゆく。
黒人たちの葬送曲「聖者の行進」が悲しみを増して聴こえた。



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