晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
マイペースで備忘録はまだまだ続きます。

『華氏451』 80点

2008-12-26 16:23:54 | 外国映画 1960~79

華氏451

1966年/イギリス

読書好き、SF嫌いのトリュフォーらしい作品

総合★★★★☆ 80

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆80点

演出 ★★★★☆80点

ビジュアル ★★★★☆80点

音楽 ★★★★☆80点

レイ・ブラッドベリの原作をフランソワ・トリュフォーが監督。「マタハリ」のジャンルイ・リシャールとの共同脚本によるSF映画。
近未来の消防士モンターグ(オスカー・ヴェルナー)が出動した家には禁止されている書物があった。その本を火炎放射器で焼くのが消防士の役目。仕事帰りのモノレールで一緒になったクラリス(ジュリー・クリスティ)は妻(J・クリスティ=2役)とそっくり。昔、消防士は火を消すのが仕事で、あなたには相応しくない仕事だと言う。
情報は、イヤホンを付けた貝の耳のラジオや、家での娯楽は壁に取り付けた大型画面に流れる画像と音声のみ。本の所持を禁止されている近未来の焚書のハナシだが、原作者のブラッドベリは「国家の検閲ではなくTVによる文化の破壊」であるという。携帯・パソコンの情報が主力となりつつあり、TVの情報力は落ちつつある今少し違和感があるものの、思考力・記憶力を失うことへの警鐘は充分説得力がある。
ロボットが出てくるような宇宙もののSF嫌いで読書好きのトリュフォーらしく、この映画はかなり人間的。そして「めまい」のバーナード・ハーマンが音楽を担当しているせいか、どことなくヒッチコックのサスペンスにも雰囲気が似ている。
フランク・ダラボン監督がリメイクを準備中でトム・ハンクス起用を考えていたが、どうやら別人になるらしい。どのようになるのか今から楽しみにしている。



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