・ 豪華キャストで、アメコミ・ファンが理屈抜きで楽しめる作品。
フランク・ミラーが自身のアメコミを忠実に映像化するため、ロバート・ロドリゲスと共同監督として名を連ねている。1部シーンをクエンティ・タランティーノが担当しているのも興味深い。豪華キャストで原作ファンも納得のカット割りとパート・カラーにすることで独特の世界を創出している。
3つのエピソードを交えながらブルース・ウィルス、ミッキー・ローク、クライヴ・オーウエンを始め、イライジャ・ウッド、ベニチオ・デル・トロ、マイケル・クラーク・ダンカンなど男くさい個性的な俳優が勢揃いして、それぞれの役を楽しそうに演じている。
エピソード1はM・ローク主演の「ハード グッバイ」、エピソード2はC・オーウェン主演の「ビッグ ファット キル」、エピソード3はB・ウィリス演じる「イエロー バスタード」。いづれもハードボイルドなキャラクターが大切な女のため敵に挑むというストーリーは、それぞれヒロインと敵役が巧く配置されていて飽きさせない。
俳優以外は全てCGという特異な映像構成で、残酷なシーンを幾分緩和している。それでもR15なのは原作が持っている大人のコミックの宿命だろう。ロドリゲスの盟友タランティーノがゲストでワンシーンを受け持っているが、どのシーンかを探るのもマニアには興味のあるところ。エピソード2のシュールな設定場面での軽妙な会話が彼の特徴を物語っている。
理屈抜きで、自宅のソファでリラックスして観るのに最適な作品。