ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

不況の特効薬 戦争が始まりそう 米国の番犬パキスタンかイスラエルか?

2008年12月28日 | 時事問題
asahi.com 2008年12月28日2時14分
パキスタン軍インド国境へ 2万人規模が移動
 【イスラマバード=山本大輔】パキスタン各紙は27日、テロとの戦いでアフガニスタン国境近くの部族地域に展開していたパキスタン軍の一部が、インド国境へ移動を始めたと報じた。インド・ムンバイでのテロで両国の緊張が高まる中での「最低限の警戒措置」(軍高官)としている。
 報道によると、部族地域で後方支援などをしていた約2万人が26日に移動を始め、東部ラホールの周辺に再配置されるとみられる。

asahi.com 2008年12月28日8時0分
報復連鎖の恐れ、泥沼化も ガザ大規模空爆
 【エルサレム=村上伸一】イスラエル軍が27日、パレスチナ自治区ガザに対し過去最大規模の空爆に踏み切ったことで、報復が報復を招く泥沼化の恐れが高まった。来年2月に総選挙を控えるイスラエルの現政権は、ガザを支配するイスラム過激派ハマスへの強硬な態度を国民に示す必要に迫られていた。これに対しハマス側は再停戦を模索していたが、190人以上の犠牲で後に引けなくなった形だ。

またアメリカCIAの活動が始まったようだ。パキスタン諜報部とCIAのつながりは濃厚 中東の永遠の火種は健在

アントニオ猪木  新宿で「炊き出し」

2008年12月28日 | 時事問題
asahi.com 2008年12月28日10時25分
猪木さん、恒例「闘魂」炊き出し 「せめて元気持って」
 新宿区の新宿中央公園で年を越す人たちを励まそうと、元プロレスラーのアントニオ猪木さんと有志らが27日、約500人にラーメンなどを振る舞った。集まった人は不景気の影響で昨年より2、3割増え、30代、40代の姿もあったという。
 猪木さんの炊き出しは8年前から続いている。猪木さんのファンや居酒屋店員、写真家ら約30人がおにぎりやいわしの缶詰などを準備し、昼までにホームレスの人たちが長い列をつくった。

日本はまだ捨てたものじゃない 助け合いの気持ちで歳を越そう

フィギュアスケートの全日本選手権女子 浅田3連覇

2008年12月28日 | 時事問題
asahi.com 2008年12月27日22時11分
浅田が逆転V3 村主2位、安藤3位 全日本フィギュア
 フィギュアスケートの全日本選手権最終日が27日、世界選手権(09年3月、ロサンゼルス)代表選考会を兼ねて長野市のビッグハットで行われ、女子はショートプログラム(SP)2位の浅田真央(愛知・中京大中京高)が自由で逆転し、3年連続3度目の優勝を飾った。

環境問題  ブライアン・フェイガン著「古代文明と気候大変動」 河出文庫

2008年12月28日 | 書評
人類の運命を変えた2万年の環境史 第1回

序(1)

 著者ブライアン・フェイガンはイギリス人でカルフォニア大学サンタバーバラ校の人類学の研究者であった。人類学とは梅棹忠夫氏のようにものすごく広い学問分野を総括する学術分野である。いかにも博物学のように、学問の祖のような慨然たる茫茫の学問分野である。バートランドラッセル卿のような歴史の総論というイギリス人好みの学問である。では本人は何屋さんなのかと云うと、考古学者、鉱物学者とか地質学者、生物学者、社会学者、農学者なんでも屋と云う胡散臭い存在である。つまりラッセルの云う「鋏と糊」の学問、今で言えば「カット&ペースト」つまりスクラップ業である。考古学者に一番近いフェイガン氏の主な著書には、「歴史を変えた気候大変動」、「埋もれた過去をもとめて」、「アフリカの起源」、「エデンを探せ」などがある。本書「古代文明と気候大変動」の原題名は「長い夏ー気候は文明をどう変えたか」である。結論は地球の温暖化期に人類の文明は繁栄をしたが、乾燥と寒冷など気候変動に都市文明が対応できなくなった時その文明は亡ぶということだ。本書は炭酸ガスによる地球温暖化をめぐる議論には直接かかわらない。そのかわり、氷河期末期から近代に至る二万年の人類の歴史が、いかに気候の影響を受けてきたのかを述べるものだ。古気候学や遺跡発掘、年代測定などの科学的事実をもとに氷河期以降の人類の歴史を「見てきたかのように」描き出すのである。


読書ノート 梅棹忠夫著 「文明の生態史観」  中公クラシックス

2008年12月28日 | 書評
京都学派文化人を代表する文化人類学者 第5回

文明の生態史観 (2)

 梅棹氏の「文明の生態史観」という発想は、生態学理論の比喩から来ている。「生態」は「共同体の生活様式」のことであり、その生活様式は「遷移」を起こすのである。一定の条件のもとでは、共同体の生活様式が一定の法則で進行し条件が満たされると変化するということである。これを「サクセッション(遷移)理論」という。そのナロジーで人間の文明の進化を説明しようと云うのである。サクセッションという現象がおきるのは、主体と環境との相互作用の結果が蓄積して、前の生活様式では収まりきれなくなって、次の生活様式に遷るという現象である。チグリス・ユーフラテス、インダス、ナイル、黄河の古代文明は第2地域周辺のサバンナ地帯で発生した。ギリシャ・ローマ文明も西ヨーロッパではなく、地中海の乾燥地帯で発生している。それは遊牧民族の文明であった。破壊と征服の歴史であった。近世になって遊牧文明は消滅して、四大帝国(中国、ロシア、インド、トルコ)が成立する。第1地域とは第2地域からの破壊をまぬかれた幸運な周辺であった。主として共同体の内部の力で変化できたのである。