ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

電機会社業績軒並み赤字 多少改善の兆し

2009年07月31日 | 時事問題
朝日新聞 2009年7月31日3時3分
電機大手、軒並み赤字でも底打ち感 4~6月期決算
 電機大手8社の09年4~6月期連結決算は、そろって減収で純損益は赤字となった。ただ、直近の1~3月期よりも改善傾向が目立つ。年明け以降、リストラを急ぎ、生産を減らし在庫調整を一巡させた。日本に加え、外国の景気対策の効果もある。電機大手の業績も底打ちのきざしが見え始めた。

2009年7月31日3時3分
羽田・那覇…国管理22空港が赤字 黒字は4空港のみ
 国が管理する全国26空港について、税金投入を除いた営業損益では約8割の22空港が赤字に陥っていることが国土交通省の調べで分かった。同省がすべての空港別の収支を集計したのは初めて。ほとんどの空港が独立採算ではやっていけない実態が浮き彫りになった。31日に公表する。

国営空港の経営は自立できるのか。親方日の丸の官僚経営 では赤字でもやってゆけるらしい?

大学進学率は 親の収入に比例している

2009年07月31日 | 時事問題
朝日新聞 2009年7月31日5時1分
親の年収が大学進学率左右 200万円未満は28%
 年収200万円未満の家庭の高校生の4年制大学進学率は3割に満たず、一方で1200万円以上の家庭では倍以上の6割強に――。東京大学の大学経営・政策研究センターが調査したところ、保護者の収入が多くなるほど右肩上がりに大学進学率が高くなることが確認された。国公立大では所得による差はあまりないが、私立大への進学で大きな差がついていた。
 国立大の年間授業料は平均約54万円、私立大は同約85万円。「このままでは大学教育を受けられる人が所得の階層で固定化してしまう。」

教育格差は拡大しつつある。自由主義のアメリカでは大学授業料は400-500万円が相場 これでは日本の中流階級もムリだ。

6月の統計でる 失業率さらに悪化、消費者物価下落

2009年07月31日 | 時事問題
朝日新聞 2009年7月31日8時38分
6月の失業率悪化、5.4% 有効求人倍率は最低の0.43倍
 総務省が31日発表した労働力調査によると、6月の完全失業率(季節調整値)は5.4%で、5.2%だった5月より0.2ポイント悪化した。男性5.7%、女性5.0%。完全失業者数は前年同月より83万人多い348万人、就業者数は6300万人で、前年同月と比べて151万人減った。
 また、厚生労働省が同日発表した6月の有効求人倍率(同)は、前月を0.01ポイント下回る0.43倍で過去最低となった。

朝日新聞 2009年7月31日8時41分
6月の消費者物価、1.7%下落 過去最大のマイナス幅
 総務省が31日発表した6月の全国消費者物価指数は、価格変動が大きい生鮮食品を除く総合指数(05年=100)が前年同月比1.7%低い100.3だった。前年同月を下回るのは4カ月連続。下落幅は5月の1.1%を超え、2カ月連続で過去最大を更新した。原油や穀物など資源価格の急落が物価を押し下げている。一方、資源価格の影響が大きい食料やエネルギーを除いた物価指数は前年同月比0.7%低い98.7で、6カ月連続のマイナス。

政府のいう経済対策効果とは何か? デフレ経済縮小傾向は依然として進行中

読書ノート 福島孝徳著 「神の手の提言ー日本医療改革」 角川oneテーマ21新書

2009年07月31日 | 書評
顕微鏡手術の世界的権威による、日本の医療改革11か条の提言 第1回

序(1)
 この本はテレビでも紹介されたことがある超絶技巧の「神の手」を持つといわれた外科臨床医の医療改革の書である。まさか本人が自分のことを「神の手」と自負する事はないと思うので、これは編集部が営業用につけた題名であろう。福島孝徳氏は東大医学部を卒業後、東大付属病院脳神経外科臨床助手からドイツベルリン大学、米国メイヨークリニックに留学、帰国後は東大医学部付属病院に戻り、1980年より三井記念病院脳神経外科部長になる。その間に頭蓋底鍵穴手術を確立した。医学部教授選に敗れて医局に絶望したのか、請われるまま渡米を決意した。1991年48歳で南カルフォニア大学教授に招聘され、94年ペンシルヴァイア大学,98年カロライナ大学、およびデューク大学の外科教授に就任し現在に至る。脳外科顕微鏡手術では全米トップと評価されている。スウェーデン、ドイツ、フランスの大学の教授も兼任、2007年千葉県に「塩田病院付属福島記念病院」を開設した。脳神経外科医として1年間に600例の難しい手術を行っている。

 著者が日本の医療に対して抱いている問題意識とは、これまでの医療問題の識者の見解が対厚生労働省の政策批判に終始しており、その批判の先が自分に向かっていないことであった。自分がいい加減な治療をしておきながら患者の側に立って発言することの欺瞞性、じぶんの立場をしっかり確立したうえで厚生労働省の政策を非難しないと、厚生労働省から「医局に人が残らないのは大学医局の魅力がないからだ」と反撃をくらう。結局医療改革は医師側と行政側療法の改革が必要なのだ。患者と医師は「信頼と責任」の関係で結ばれる相互主義でなければならない。政治圧力団体に化した日本医師会の改革は財団法人法の改正で目の前に迫っているし、「白い巨塔」といわれた大学の医局制は1970年の大学紛争でインターン制を廃止しただけで、ピラミッド型権力の本質的な改革がなされていない。自民党だけでなく、はたして大学医学部に自浄作用があるのかと疑われている。
(続く)