JMM 医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年5月30日)「医師より製薬メーカに優しい日本の医療制度」 多田智弘 武蔵浦和ただともはる胃腸科肛門科 より
「明細書付き領収書」発行の義務が始まって1ヶ月半ほど過ぎた。アンケートでは「不必要」の声が高いのに、明細書では絶対見えてこないお金の流れがあります。一つは「診察料」と「調剤技術料」の差です。普通の診療では「診察料」は処方箋料を加えても1890円です。調剤薬局の「調剤技術料」は2570円です。日本の医療費に占めている診察料は10%未満であるのに較べて、薬剤代金は約30%です。そして薬剤の納入価格と販売価格の差は微々たるもので、約93%が納入価格で、消費税5%を加えると98%が薬の納入価格です。これでは医療機関にとって逆ザヤに転じかねません。医者は薬で儲けているというのは、過去の話でいまでは損をしかねない。製薬メーカの経常利益率は40-50%で、製造原価は10%以下です。「薬九層倍」ということわざは今も成り立っています。医療界全体でのお金の流れが議論されたことはありません。
「明細書付き領収書」発行の義務が始まって1ヶ月半ほど過ぎた。アンケートでは「不必要」の声が高いのに、明細書では絶対見えてこないお金の流れがあります。一つは「診察料」と「調剤技術料」の差です。普通の診療では「診察料」は処方箋料を加えても1890円です。調剤薬局の「調剤技術料」は2570円です。日本の医療費に占めている診察料は10%未満であるのに較べて、薬剤代金は約30%です。そして薬剤の納入価格と販売価格の差は微々たるもので、約93%が納入価格で、消費税5%を加えると98%が薬の納入価格です。これでは医療機関にとって逆ザヤに転じかねません。医者は薬で儲けているというのは、過去の話でいまでは損をしかねない。製薬メーカの経常利益率は40-50%で、製造原価は10%以下です。「薬九層倍」ということわざは今も成り立っています。医療界全体でのお金の流れが議論されたことはありません。