ブログ 「ごまめの歯軋り」

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人材派遣業を廃止にすべき  ピンはね業は労働法違反

2008年06月25日 | 時事問題
asahi.com 2008年6月25日3時0分
グッドウィル廃業へ 二重派遣で略式命令
 人材派遣業などを展開するグッドウィル・グループ(GWG)は24日、7月末にも子会社の日雇い派遣大手グッドウィル(東京都港区)を廃業する方針を固めた。東京地検公安部が同日、労働者の二重派遣事件で、グッドウィルなど4社と幹部ら計8人を職業安定法(労働者供給事業の禁止)違反幇助(ほうじょ)などの罪で略式起訴、グッドウィルは同日、罰金100万円を納付した。厚生労働省は有罪が確定すれば派遣事業の許可を取り消す方針で、GWGは事業の継続が難しくなったと判断した。

派遣法の規制強化へ動け、日雇い派遣は即時廃止へ 舛添大臣の奮闘と良識に期待する
政府の機能を民間企業へ売り渡した政府は「国民のための政府」ではない。格安人件費の甘い汁を吸った企業の腐敗は歯止めが利かない

読書ノート 北岡伸一著 「国連の政治力学」  中公新書

2008年06月25日 | 書評
国連活動は国際政治の場ー日本常任理事国入り失敗をふまえて 第5回


Ⅱ 国連日本代表部の仕事 (1)

 国連代表部は日頃から大学やシンクタンクやNGOと連携したセミナー、社交パーティー、食事会、演劇会などコミュニケーションの機会を逃さず意見交換に努めるのも仕事の内である。ODAなどの援助は外交にはなくてはならぬ武器で,重要な交換条件であるという。しかし日本に無尽蔵の金があるわけではないので、金のばら撒きが大国の証でもないはずだが外務省の機密費は馬鹿にならない。代表部の重要な仕事は各種委員会の選挙であるそうだ。選挙は取引というか票の交換である。日常的に談合そのものの調整が行われている。日本の本省との連絡、意見調整も大変な仕事らしい。著者は外交官を超エリートだと思っているところが、気になるところである。日の丸を背負っていると云う自負心が鼻持ちならぬと私は感じるのだが。

 2005年1月10日の著者の多忙な一日を紹介している。6時半起床、ニューヨークタイムズなどの新聞を読む。イラクの石油食糧交換機構OFFの汚職問題を取り上げていた。コンゴ共和国におけるPKO軍人の強姦・買春問題、パレスチナ選挙、複雑な内紛状態のスーダンの和平協定などが報じられていた。数社の新聞を斜め読み。そして8時過ぎに出勤。8時45分から大使館会議では今日の安保理の準備である。安保理には公開ブリーフィング、公開協議、非公開協議がある。安保理では毎日決められたテーマ(月:アフガニスタン、火:スーダン、水:ハイチ、木:中東、金:イラク)の協議がある。午前10時、安保理で事務総長特別代表によるアフガニスタン公開ブリーフィングが行われた。選挙、治安、麻薬、武装解除DDRの報告があった。日本はアフガニスタン問題のリード国(決議案の準備、論点の促進など)である。12時から午後3時までお昼休みで、電話連絡などをすます。今日はサックス教授から電話があった。アフリカ途上国への援助問題である。午後3時から安保理下部委員会の対タリバン・アルカイダ制裁委員会である。テロリストは国内では反体制派なので、中国・ロシアのテロ定義は微妙である。午後5時代表部で幹部会議つまり今日の反省会と予定方針の確認である。夜は来客(今日は駐ノルウェイ大使の訪問)とのディナー、終わってから2時間ほど大量の電報に目を通す。帰宅は午前0時。

文芸散歩 「宇治拾遺物語・十訓抄」 小林保治・増古和子・浅見和彦[校訂・訳]  小学館

2008年06月25日 | 書評
日本の中世に生きた人間の多様な人生模様 人生色々・男も色々・女も色々 第4回

宇治拾遺物語


鬼に瘤を取られる事
「瘤取り爺さん」という童話にもなっている。「右の頬に大きな瘤のある翁がいた」で始まる。人前にも出られず薪を採って暮らしを立てていたが、ある日山に入って嵐にあい仕方なく山の中の木の洞に泊まった。すると木の前でたくさんの鬼が出て酒盛りをし踊りをしだした。爺さんは踊りが好きだったのでいてもたまらず鬼の踊りの中に入って見事な歌と踊りをしたので鬼は大喜び。次回もここに来て踊るようにといって、必ず来るために質をとると云うことで爺さんの頬の瘤を取った。隣の爺さんは左の頬に瘤があったので、その訳をきいて自分も瘤を取ってもらおうと出かけたがもともと踊りが下手だったので鬼らは取っておいた瘤を隣の爺さんの右の頬にくっつけたと云う話。芸は身を助けるということなのか、隣の爺さんにとっては気の毒なことだ。

竜門の聖が鹿に代わろうとする事
奈良の吉野の竜門というところに一人の聖が住んでいた。親しい友人に猟師がいたが、鹿や猪を殺す事を生業としていた。この聖は猟師のむやみな殺生を止めさせる為、自分が鹿の身代わりになろうと、鹿の皮に包まって横たわった。猟師は篝火を炊いて獲物を探していたところ、二つの目が光っているのが見え、鹿だと思って矢をかまえた。しかし目の間隔や色が違うので近くによって見ると聖ではないか。あやうく殺すところを避けられたが、聖が身代わりなれば少しは殺生を控えてくれるだろうという話を聞いて、猟師は反省してぷっつりと猟師を止め聖と修行をともにした。難しいところだが猟師が殺生をするのは生業なので一概にいけないとは言えない。

自作漢詩 「春盡夢空」

2008年06月25日 | 漢詩・自由詩


細滴梅肥花幾     細滴梅肥え 花幾叢

幽庭草長緑濛     幽庭草長じ 緑蒙蒙たり

杜鵑去去三春盡     杜鵑去去 三春盡き
   
千里思帰一夢     千里帰を思て 一夢空し

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(赤い字は韻:一東 七言絶句仄起式  平音は○、仄音は●、韻は◎)
(平仄規則は2・4不同、2・6対、1・3・5不論、4字目孤平不許、下三連不許、同字相侵)