ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

北野天満宮の牛の頭落とされる  幼稚な行為 小児化する脳

2008年06月26日 | 時事問題
asahi.com 2008年6月26日14時36分
北野天満宮の「撫牛」像、首壊される
 26日午前5時ごろ、京都市上京区の北野天満宮で、参道の途中にある御影石製の牛の像「撫牛(なでうし)」(長さ約40センチ、高さ約10センチ)の首の部分が壊されているのを参拝者が見つけ、社務所に通報した。被害にあったのは、境内に約20体あるうちの一つで、閉門後も自由に出入りできる本殿の外にある小ぶりの物。上京署が器物損壊容疑で捜査している。

幼稚な行為 小児化する脳
京産大生がイタリアの大聖堂に落書きしたという報道、群馬県で街頭のチューリップの花を切る事件、茨城県千波湖で白鳥を殺す事件など、学生の幼稚ないたずらが多いですね。脳細胞が幼稚化しているんか、よほどストレスがたまってはけ口を見出せないのか、嘆かわしい事です。こんな小学生以下のレベルの知能を持った大学生の居る京都産業大学の学長さんも大変です。どう教育したらいいのでしょうか。

後期高齢者医療制度 官僚の手を離れ政治的解決を

2008年06月26日 | 時事問題
asahi.com 2008年5月17日
後期高齢者医療制度、自民32道府県連が見直し・廃止論
 後期高齢者医療制度について、自民党の47都道府県連のうち、29道府県が「運用見直し」、3県は「廃止・全面見直し」を求めていることが朝日新聞の一斉取材で明らかになった。民主党は47都道府県連すべてが「廃止・全面見直し」だった。

後期高齢者医療制度の狙いは?
新制度の導入の意図は、少子高齢化が世界最高のスピードで進行するわが国で、75歳以上(65歳以上の一定の障害を持つ人も含める)の人たちの医療保険制度を、既存の保険制度の枠からはずして、新しく設定した医療保険制度に移行することで、国や地方公共団体の負担増加を押さえようとするものと考えられます。新制度の対象者は当該制度からの給付を受けることになります。その分、75歳以上の人々には新たな負担が増えるケースが多いはずです。
後期高齢者医療保険制度の財源については、国や地方公共団体の負担が50%、国民保険・被用者保険の支援金が40%、高齢者の保険負担が10%になると設計されています。今後、高齢者自身が10%分の保険金負担をすることになりますから、本制度維持のための負担が増える場合には、保険料が上昇することは避けられない。長期のビジョンのない、
場当たり的な制度改革では、将来の不安を増幅させるだけだと思います。こういう問題に対してこそ、政治がリーダーシップを発揮して、医療保険の将来像を国民に提示するべきだ。



読書ノート 北岡伸一著 「国連の政治力学」 中公新書

2008年06月26日 | 書評
国連活動は国際政治の場ー日本常任理事国入り失敗をふまえて 第6回


Ⅱ 国連日本代表部の仕事 (2)

 安保理改革(日本などの常任理事国入り運動)が5月に挫折したあとの2005年7月の安全保障理事会の動きを紹介する。当時の非常任理事国は日本など10国であった。安保理には非常任理事国は常駐代表または次席代表が出席し、常任理事国は下のクラスで公使、参事官あたりである。常駐代表が出席するのはその国にとって重要な問題の場合である。安保理では非公開協議が主になる。会合の各国代表は3名まで。会合で一番重要なのは決議、ついで議長声明、最後にプレスステートメントである。7月はテロ関係の会合が多かった。ロンドンの地下鉄爆破事件など3件を非難する決議、議長声明が出された。安保理は本来国際平和と安全を協議する場であるが、最近は人道・人権問題へ関与が多い。ジンバブエ政府の人権問題が取り上げられた。人権問題に関与せずと云う中国ロシアの反対が多くコンセンサスが取れない場合表決に持ち込まれる。今回非難決議に賛成9・反対5・棄権1で辛うじて成立した。

 PKOの設立・終了を決めるのは安保理である。事務総長・現地の事務総長特別代表が報告書を出すが、安保理は視察団を派遣して実態把握に努める。著者が参加したPKO視察団、2005年にハイチへ、2006年にスーダンへ行った経験を紹介する。ハイチは独裁的大統領と反対派の闘争が続いているので国連は何度のPKOを出した。地続きで隣のドミニカ共和国は豊かな農業国で安定しているがハイチは98%が禿山である。国土が荒廃しているのは政治が悪いからである。政治への信頼がなく投票率も10%程度であった(日本も嗤っていられない、30%程度の投票率のことが多い)。スーダンの国内情勢は複雑である。北部はイスラム教徒で政府を構成する。南部はキリスト教徒で自治拡大を要求して独立を問う国民投票が行われる予定である。南部スーダンは世界の最貧国になる。西部はダルフールでは遊牧民が農耕民を襲って隣のチャドへの難民が発生している。五月ダルフール和平合意が成立しPKO派遣となった。一万人の巨大PKOとアフリカ連合の部隊8000人が常駐する。また遊牧民が隣のチャドを襲撃したのでチャドとは戦争状態にある。更に事態を複雑化しているのが、スーダンから大量の石油を輸入する中国が内政不干渉と称して政府を援助していることである。政府はPKOを新たな占領軍と呼んで敵視している。

文芸散歩 「宇治拾遺物語・十訓抄」 小林保治・増古和子・浅見和彦[校訂・訳]  小学館

2008年06月26日 | 書評
日本の中世に生きた人間の多様な人生模様 人生色々・男も色々・女も色々 第5回

宇治拾遺物語

金峯山と箔打ちの事
京の七条に住む箔打ちが吉野金峯山(御嶽)詣りをした。この山では金岩石を採ると祟りがあるといわれていたが、この職人は金を採って七、八千枚の金箔に打った。検非違使で東寺の仏像に箔を求めていると云うので金箔を売りにいったところ、検非違使庁の役人が品物を改めると、箔一枚一枚に「金の御嶽」と書かれていた。このことで御嶽から金を採ったことが判明して、この職人は鴨川の河原で鞭打ちにあって死んだと云う話。言い伝えを信用しないととんでもない目に会うということだ。

鼻の長い僧の事
宇治の池の尾に善珍内供という宮中の祈祷にも呼ばれる栄えた僧がいた。頼まれる祈祷が多くて寺は大変繁盛していたのだが、物を食べる時は鼻を板で持ち上げてもらうほどこの僧の鼻は長く大きかった。数日に一度は、この鼻を蒸して足で踏みつけると鼻の毛穴から虫が出てきて小さくなるような処置をしていた。食事の時鼻を持ち上げるにはコツが必要でいつも掛かりつけの小僧が担当していたが、ある日あいにくその小僧が風邪で寝込んだので、別の小僧が代わった。最初はうまくやっていただが、小僧がくしゃみをして手が震えて内供に鼻を粥の中へ落としてしまった。怒り狂った内供はその小僧を罵倒して追い出したが、小僧は立ち去り際に「こんな鼻の持ち主は二人といない。馬鹿馬鹿しい」といったと云う話。小僧の捨てセリフが面白い。

自作漢詩 「長雨侵屋」

2008年06月26日 | 漢詩・自由詩


連日蛙聲聽冒     連日蛙聲 聽いて心を冒す

梅天漠漠氣陰     梅天漠漠として 氣は陰森たり

長菌屋漏床床濕     菌長じ屋漏れ 床床濕ひ
   
新緑竹林岸岸     新緑の竹林 岸岸に深し

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(赤い字は韻:十二侵 七言絶句仄起式  平音は○、仄音は●、韻は◎)
(平仄規則は2・4不同、2・6対、1・3・5不論、4字目孤平不許、下三連不許、同字相侵)