asahi.com 2008年6月16日8時44分
黒猫は消されたのか ゴッホの絵に放射線のメス 広島
上の写真は左下に黒猫が描かれたスイスのバーゼル美術館寄託の「ドービニーの庭」を示す。同じ題名が付いたゴッホ(1853~90)の2枚の作品「ドービニーの庭」。スイスのバーゼル美術館にある絵には描かれた黒猫が、広島市中区のひろしま美術館所蔵の絵にはいないのはなぜか。吉備国際大学文化財総合研究センター下山教授はが15日、同美術館の調査に協力し、放射線を使った分析を始めた。 問題の部分に青色絵の具の成分となる鉄の元素が含まれていた。
ゴッホの「黒猫」は弟夫婦の家庭から離れるゴッホ自身だと云う。
「ゴッホの手紙」に書かれているように、ゴッホの生活の面倒を見たのは、弟夫婦であった。生涯1枚しか自作の絵が売れなかったゴッホは絵の具代から生活費、療養費まで全面的に画商であった弟夫婦に頼っていた。いわば寄生虫であったゴッホが己の生活を恥じて、弟夫婦の住む家(ドービニー)から逃げ出す猫に自分を例えた。一枚の絵の庭には猫(ゴッホ)がいるが、もう一枚の絵には猫(ゴッホ)はいない。形跡はあるように匂わせている。弟夫婦にとって厄介者であったゴッホが弟の庇護から消え去る事は現実には出来なかった。絵画としてはバーゼル美術館の絵のほうが、空や木の茂みにゴッホらしい渦巻状の筆の流が顕著である。
黒猫は消されたのか ゴッホの絵に放射線のメス 広島
上の写真は左下に黒猫が描かれたスイスのバーゼル美術館寄託の「ドービニーの庭」を示す。同じ題名が付いたゴッホ(1853~90)の2枚の作品「ドービニーの庭」。スイスのバーゼル美術館にある絵には描かれた黒猫が、広島市中区のひろしま美術館所蔵の絵にはいないのはなぜか。吉備国際大学文化財総合研究センター下山教授はが15日、同美術館の調査に協力し、放射線を使った分析を始めた。 問題の部分に青色絵の具の成分となる鉄の元素が含まれていた。
ゴッホの「黒猫」は弟夫婦の家庭から離れるゴッホ自身だと云う。
「ゴッホの手紙」に書かれているように、ゴッホの生活の面倒を見たのは、弟夫婦であった。生涯1枚しか自作の絵が売れなかったゴッホは絵の具代から生活費、療養費まで全面的に画商であった弟夫婦に頼っていた。いわば寄生虫であったゴッホが己の生活を恥じて、弟夫婦の住む家(ドービニー)から逃げ出す猫に自分を例えた。一枚の絵の庭には猫(ゴッホ)がいるが、もう一枚の絵には猫(ゴッホ)はいない。形跡はあるように匂わせている。弟夫婦にとって厄介者であったゴッホが弟の庇護から消え去る事は現実には出来なかった。絵画としてはバーゼル美術館の絵のほうが、空や木の茂みにゴッホらしい渦巻状の筆の流が顕著である。