国連活動は国際政治の場ー日本常任理事国入り失敗をふまえて 第2回
日本には建前として「国連中心主義」と云う言葉があるが、実際はアメリカ中心主義であって、国連を第一に考えたことは一度もなかった。自国の利益より国連の理想を第一に考える国はいない。そう云う意味では、国連では外務省の国連代表部は短期・長期の国益を第一に行動する国家主義者の集団である。ある意味では旧ソ連や中国といった共産圏国家は国連の金と総会の場をうまく利用して国連中主義活動をしていた。アメリカは伝統的なモンロー主義から国際連盟にも参加せず、第二次世界大戦後は無傷のまま世界一の覇権国家となったので、アメリカシステムと国連活動のジレンマに悩んでいた。常任理事国ながら国連軽視主義的態度はここから出ている。国連負担金は22%と一番多いが(日本は二位の16.6%)が、世界の憲兵といわれながらPKO派遣人数は少ない。アメリカの意向を無視しては国連は何一つ出来ないが、総会の決議は一国一票で極めて平等である。はたして国連は理想主義的存在で無力なのか。確かに安全保障では無力かもしれないが、平和維持、貧困の撲滅、人権の向上などでは国連は重要な役割を果たしており、国連活動そのものが外交と云う一つの国際政治の場である。
本書は二年半の国連代表部での著者の活動記録である。大きくは四つの内容を記している。一つはアメリカと国連の関係、二つは日本政府国連代表部の活動、三つは任期中の代表部の最大の問題であった安保理改革(日本の常任理事国入り運動)、4つは北朝鮮核実験をめぐる日本の国連活動である。なを本文で出てくる数値は年度を言わなければ2007年度現在のものである。
日本には建前として「国連中心主義」と云う言葉があるが、実際はアメリカ中心主義であって、国連を第一に考えたことは一度もなかった。自国の利益より国連の理想を第一に考える国はいない。そう云う意味では、国連では外務省の国連代表部は短期・長期の国益を第一に行動する国家主義者の集団である。ある意味では旧ソ連や中国といった共産圏国家は国連の金と総会の場をうまく利用して国連中主義活動をしていた。アメリカは伝統的なモンロー主義から国際連盟にも参加せず、第二次世界大戦後は無傷のまま世界一の覇権国家となったので、アメリカシステムと国連活動のジレンマに悩んでいた。常任理事国ながら国連軽視主義的態度はここから出ている。国連負担金は22%と一番多いが(日本は二位の16.6%)が、世界の憲兵といわれながらPKO派遣人数は少ない。アメリカの意向を無視しては国連は何一つ出来ないが、総会の決議は一国一票で極めて平等である。はたして国連は理想主義的存在で無力なのか。確かに安全保障では無力かもしれないが、平和維持、貧困の撲滅、人権の向上などでは国連は重要な役割を果たしており、国連活動そのものが外交と云う一つの国際政治の場である。
本書は二年半の国連代表部での著者の活動記録である。大きくは四つの内容を記している。一つはアメリカと国連の関係、二つは日本政府国連代表部の活動、三つは任期中の代表部の最大の問題であった安保理改革(日本の常任理事国入り運動)、4つは北朝鮮核実験をめぐる日本の国連活動である。なを本文で出てくる数値は年度を言わなければ2007年度現在のものである。