http://osakanet.web.fc2.com/jourei.pdf
http://osakanet.web.fc2.com/kyoikujorei.html
いまさっき、上のふたつのページをネットで見ていて、びっくりしました。私が大阪維新の会がつくった教育基本条例の素案を、このブログでちまちまと検討している間に、条例素案そのものが修正されています。その修正後の新しい条例素案が上のページに出ていますので、確認をしてください。
もう「なんじゃそりゃ!」というしかないような手法なのですが、ただ、条例素案の基本的な骨組みはあまりかわっていないようです。ちなみに、今までこのブログで取り扱ってきた範囲でいうと、地域住民が主体的に学校運営に参加することを求めた旧11条が削除されています。また、第3条にあった誤字らしき部分も「自立支援」に直されています。
あと、ツイッターで知り合った社会教育・生涯学習の研究者の方から、この条例素案を読んで「これは教育基本条例じゃない。学校基本条例だ」というコメントをいただきました。そのとおりです。この条例素案のどこ見ても、社会教育・生涯学習についての記述がありません。これには社会教育・生涯学習関係のみなさん、もっと怒っていいんじゃないでしょうか?
ただ、この数年の大阪市内や大阪府内の動きを見ていればわかるように、教育委員会の所管から博物館や美術館などを首長部局に移したり、青少年会館をつぶしたりと、まるで「社会教育・生涯学習など、これからの大阪の行政施策にはいらないのだ」というかのごとき「行財政改革(私から見たら改悪)」の流れが続いています。その流れの延長線上には、「教育委員会の仕事=学校運営の仕事」という実態が作られてくるでしょう。おそらく、この条例素案をつくった人々も、「今後の教育委員会の仕事は、学校運営だけやっていればいい」という認識に立っているのではないか。そのような意図を感じてしまいます。
もっとも、子ども施策や青少年施策の一元化ということで、教育委員会管轄の社会教育部門と、保育・児童福祉・青少年健全育成などの首長部局の各部門との再編・統合という道もあります。実際、大阪市には子ども青少年局があって、このような方向で部局の再編が行われています。
ですが、たとえ自治体内の部局が上記のように一元的に再編されたからといって、子ども・若者の学校外活動(教育・学習とまでは言わなくとも)や、これをサポートする保護者・地域住民の諸活動がなくなるわけではない。また、そのような学校外での子ども・若者・保護者・地域住民の諸活動を支援してく役割が行政サイドにはあるのではないかと考えられます。とすれば、やはりたとえ自治体内で子ども・若者施策に関する部局の統合があっても、何らかの形で従来、社会教育・生涯学習の領域で果たされてきた子ども・若者の活動支援の側面は、何らかの形で継続されてしかるべきでしょう。そして、同じことは成人の学習についてもいえるのではないかと思います。
ですから、この条例素案が社会教育・生涯学習の領域について何も触れていないというのは、やはり大きな問題ではないでしょうか。今日はまず、このことを指摘しておきます。
また、明日以降、新しい条例素案の9月12日バージョンに沿って、第5章・第6章あたりを見ていきたいと思います。
なお、今週末には大阪府の大東市において、かなり大きな規模で、この条例素案や6月の「君が代」条例などに反対する集会が予定されています。詳しくは下記のページでご確認ください。こちらにも、8月分と9月12日分、両方の条例素案が掲載されています。また、さまざまな条例素案などへの反対の動きも掲載されています。
http://www7a.biglobe.ne.jp/~hotline-osk/
今日のところはひとまず、このあたりでとどめておきます。