できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

体罰をみんなで考えるネットワーク夏のつどい2015、無事におわりました。

2015-07-27 09:25:03 | 私の「仲間」たちへ

昨日(2015年7月26日)、龍谷大学梅田キャンパスにて、体罰をみんなで考えるネットワーク・夏のつどいを行いました。ネットワーク代表としての私の思いなどを、先ほどフェイスブックに書きました。それをこちらにも転載します。

<以下、転載部分>

昨日の「体罰をみんなで考えるネットワーク・夏のつどい2015」には、約40人の方に集まっていただきました。常連さんに新しい方等々、部屋がいっぱいになる感じで、とてもうれしく思いました。また、関東から来られた方も何人か会場に居られました。このネットワークに集うみなさんの熱意と、体罰を中心とした子どもの人権に関する諸課題への関心の高まりを実感しました。
また、昨夜の懇親会でもお話しましたが、代表の私としては、当面のこのネットワークの役割は「灯台・港・海図づくり」だと思っております。
つまり、「あそこに行けば、体罰を中心とした子どもの人権に関する諸課題について、話ができる人がいる」ということを示し続ける、ということ(これが「灯台」の役割)。
また、港に船が入って、今まで載せてきた人や荷物をおろしたり、人や荷物を新たに積んで出港するように、「このネットワークにいろんな立場の人が集まって、集まった人どうしでまた新たな動きが起きて・・・」という動きが生じればいいな、ということ(これが「港」の役割)。
そして、「どこへ行けば、誰が、どのような活動に取り組んでいるのか」「どこで誰が、どのような課題に直面して苦労しているのか」等々、体罰を中心とした子どもの人権に関する諸課題と、これに関するさまざまな取組みの現状が、ここに来ればある程度、把握できること(これが「海図づくり」の役割)。
この「灯台・港・海図づくり」の3点に、当面、代表の私としては「灯台守」的な立場からこだわりつづけようかな、と思っております。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、昨日の内容ですが、大学教育、特に教員養成課程における体罰問題の議論のしかたについて、加藤さん(高知大学)の基調講演と、加藤さん・石上さん(大手前大学)・田村さん(龍谷大学)によるパネルディスカッションを行いました。また、昨日は会場に集まったみなさんからも、たくさんのご意見をいただきました。なにしろ、大学教員や子どもの人権にかかわる諸団体の方々、保護者だけでなく、いま大學の教職課程で学ぶ学生からも意見が出ましたので。また、それゆえのうれしい悲鳴と申しますか、昨日はほんとうにいろんな方向からご意見などがでたので、それを最後に整理してしめくくるだけで精一杯でした。
それでもなお、当日の議論をふまえて、私が最後の「まとめ」で話したことを整理しますと、次の5点になります。これらはいずれも大学教育において体罰問題を考える上での今後の課題でもありますが、同時に大学外においても課題でしょうし、教員の現職研修などにおいても重要な課題であろうと思われます。
(1)さまざまな形でゆさぶってもなお、一部の学生たちに根強く残る体罰を正当化する意見に対して、その論拠をどのように考えるのか(思想的、文化論的、教育論的、制度論的等々)。
(2)体罰を肯定する意識で固まっているような「認知の固い人」に対して、どのような対応が可能か。
(3)知らず知らず、「力」で人に言うことをきかせることを学んでしまって、それを「当たり前」のように受け止めている人々の認識を、どのように問い直していくのか。
(4)上記のような課題に取り組むにあたって、「これってなにかおかしいのでは?」といえるような市民性、シティズンシップの育成が必要だと思われるが、その育成をどのようにすすめるのか?
(5)実際に体罰を「してしまいそうになる」くらい対応に困っている人々に対して、どのようなサポートが可能か。あるいは、体罰が起きてしまったあとに、どのような対応が可能か。
この5点をふまえて、次にどのような議論のテーマを設定し、次回10月17日(土)に予定されている秋のつどいの準備をすすめていくのか。このことについて、早急に世話人会で検討して、みなさんに次回のご案内をさせていただきたいと思います。
最後になりましたが、いつもこのネットワークの会合に毎回のように足を運んでくださるみなさん、こちらから何も言わなくても会場設営等をお手伝いしてくださるみなさん、そして、チラシ準備からはじまってさまざまな形で広報に協力してくださる方々等、このネットワークがいろんなみなさんの地道な努力に支えられていることを、昨日もあらためて実感しました。この場をお借りしまして、あらためてお礼申し上げます。今後とも引き続き、運営へのご協力をよろしくお願いします。

<以上、転載おわり>


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