ようやく「3週分まとめてプリキュアの話」も3回目、1月21日(日)放送分までたどりつきました。さっそく書いておきます。
1月14日放送分からすでにプリキュアは最終決戦モードに入っていて、1月21日放送分はその続きです。「力がすべてではないとしたら、何を信じればいい?」と迷うカイゼリンに、背後からアンダークエナジーの矢を刺したスキアヘッド。そのスキアヘッドがカイゼリンに「おろかな生徒」と言い放ったところから、1月21日放送分がはじまります。
前回倒されたはずのスキアヘッドが、再び復活。「なぜ?」という問いが、プリキュアたちに生まれます。プリキュアたちにスキアヘッドは、このような話をします。
アンダークエナジーから生まれた者にとっては、光の力が毒。そういうスキアヘッドは、父・カイザーと同じ最後をたどることのないように、カイゼリンの記憶を封印したといいます。というのも…。カイゼリンはエルレインに渡すプレゼントをつくっていた。そんなカイゼリンに父・カイザーは「今までは力がすべてだと信じていた。これから何を信じるか? 道はけわしいが、答えはきっと見つかるはず」と伝えます。そんなカイザーを、カイゼリンが見ている前で、スキアヘッドが背後から刺し殺します。その本当のカイゼリンの記憶にウソの記憶(=キュアノーブルが殺した)を上書きして、カイゼリンに信じさせた。これが、スキアヘッドの説明です。「すべてをアンダークエナジーに捧げる。破壊のために力を使うその入れ物として、カイゼリンが最適だった」とも、スキアヘッドは言います。これでひとつ、いったん和平を結んだはずのアンダーク帝国とスカイランドのあいだにあった「なぞ」がひとつ、とけました。すべてはスキアヘッドのしくんだことだったわけです。
「お前はなにものだ?」と問うカイゼリンに、「私はダークヘッド。アンダークエナジーの化身」といって、スキアヘッドはダークヘッドという自分の正体を示します。そしてカイゼリンのそばに行き、「もうひとつウソがある。(お前を)「愛している」と言ってきたのは、ウソだ」と告げます。それを聞いたカイゼリンは「私が信じていたものはウソばかり。胸が苦しい、いっそ消えたほうが…」と言い始めます。
そんなカイゼリンとダークヘッドに、キュアスカイが「カイゼリンを離せ!」といいます。「救う理由はないはず」というダークヘッドに、「泣いている人に手をさしのべるのに、理由はない!」というキュアスカイ。ダークヘッドはカイゼリンを抱えて「取り返したいなら、アンダーク帝国へ」といって消え去ります。「これはワナだ!」と思いつつも、プリキュアたちは「助けに行こう!」と考えます。「カイゼリンに答えなきゃ。力がすべてではないとしたら、何を信じるかを」というのが、キュアスカイの思いです。
その後、プリキュアたちはアンダーク帝国へ。多数のランボーグに追われるなか、アンダーク帝国に通じる穴の奥へ入ろうとします。追いかけてくるランボーグを、まずはキュアウィング・キュアバタフライが時間を稼ぎます。他のプリキュア3人が穴の奥へはいると、さらにランボーグの数が増えます。「カイゼリンを助けて、スカイ・プリズム・マジェスティ。ここは絶対に通さない」といって、キュアウィング・キュアバタフライは送り出します。そんなキュアウィングに「私のナイトだから、こんなところで倒れたら、許さない!」と、キュアマジェスティは伝えます。
穴の入り口を潜り抜けたあとも、別のランボーグが現れます。3人のプリキュアはひとまずたたかわずにランボーグをやり過ごしますが、それでもランボーグの数が増えてきます。そのランボーグたちを、今度はキュアマジェスティが食い止めます。「私には(キュアノーブルから受け継いだ)不思議な力があるのに、どうして5人のプリキュアがいるのか? きっと大きなプリンセス(=キュアノーブル)は、ひとりでつらかった。いっしょに泣いて、笑って、励ます仲間がほしかった。だから5人がいるの。私がここで食い止めたら、すぐにおいつく。だから、仲間を信じて! 立ち止まるな、ヒーローガール!」と、キュアマジェスティはキュアスカイ・キュアプリズムに伝えます。キュアスカイ・キュアプリズムはふたりで先を急ぎます。
いよいよカイゼリンとダークヘッドに追いついたキュアスカイ・キュアプリズム。そんなふたりに、カイゼリンは「強いな、ヒーローは」と語りかけます。ダークヘッドはカイゼリンに「お前もヒーローで、その光があった。ヒーローはアンダークエナジーの入れ物として必要。でも、お前よりももっと大きな入れ物を見つけた。キュアスカイだ!」と言います。
「となりにプリズムがいてうれしい」というキュアスカイに、カイゼリンは「これはわなだ!」と告げます。でもキュアスカイは「誰もが心に大切な物語を抱えている。そんな人たちを入れ物扱いするあなたを許さない。今の私たちに、あなたの技は通じない」と、きっぱりとダークヘッドに伝えます。
ただダークヘッドは「光がアンダークエナジーにとって毒なように、プリキュアにとってアンダークエナジーは毒」といって、キュアスカイ・キュアプリズムにアンダークエナジーを浴びせます。それを浴びて苦しむふたり。そこへさらに「お前の力で止めてみせろ」といって、ダークヘッドはアンダークエナジーのかたまりをキュアスカイにぶつけます。「この力がほしくないか? 私を倒したいなら、この力をコントロールしてみせろ」といって、キュアスカイにアンダークエナジーのかたまりとともに、ダークヘッドが侵入します。
「だめだ、キュアスカイ」というカイゼリンを前に、キュアスカイは黒いキュアスカイに変身。でもキュアスカイは「こんな力をコントロールして、みんなを助ける!」と言い切ります。全身がアンダークエナジーにそまって黒くなりながらも、キュアスカイの目だけは青く光ります。キュアスカイのからだのなかで「ダークヘッドこそが最強」という声が聞こえます。そして黒いキュアスカイは、なんと、キュアプリズムを攻撃しようとします。
でも、キュアプリズムは「私は逃げない。負けない」といい、キュアスカイの攻撃を全身で受け止めようとします。そのキュアプリズムの姿を見て再びキュアスカイの目が青く光り、「信じてまつ人がいる限り、何度でも立ち上がる。それがヒーロー」と言って、自ら黒い色から解き放ち、青い姿を取り戻し始めます。そんなキュアスカイをキュアプリズムの光が包み込んだとき、カイゼリンもキュアスカイも、元の姿を取り戻します。
ちなみに、この黒いキュアスカイがキュアプリズムの支えで、再びいつもの青いキュアスカイに戻るまでの絵柄は、ほんとうに美しいです。たぶん、プリキュアシリーズの歴史に残るような名シーンだと思います。また、人間は怒りや悲しみゆえに黒い思いに染まることはあるけれども、でも、根っこにはよい心があって、誰かの支えさえあれば、たとえ一時期黒い思いに染まっても、よい心を誰もが取り戻すことができる。そういうプリキュアシリーズ全体に流れる人間観が、この場面には現れているようにも思いました。
このあと、元の姿にもどったキュアスカイは、カイゼリンに大事なことを伝えます。「あなたは私と同じ。自分が正しいと思ったことを信じたヒーロー。私も未熟、立派じゃない。でも、友達が支えてくれた。これが私たちの答え。カイゼリン、これからは友達になりましょう」と。そんなカイゼリンとキュアスカイ、キュアプリズムの向こうから、「なかよし、だね」「ハッピーエンドの物語が好き」「5人の力を見せつけた。ヒーローの出番(笑)」といいながら、キュアウィング、キュアマジェスティ、キュアバタフライもやってきます。
キュアスカイがカイゼリンに伝えたかったことは、「未熟でもいい。力なんて弱くてもいい。力を信じるのではなくて、仲間を、友達を信じよう」ということでしたね。このメッセージも、プリキュアシリーズ全体に流れる考え方ですね。歴代のプリキュアはドジな一面もあって、誰であっても完璧なキャラクターではありません。でも、いつも友達、仲間をお互いに信じあって、その友達や仲間と培った関係の力で課題を解決してきましたから。
ところで、これでやっと、アンダーク帝国とカイゼリンを分離することに成功しましたが…。キュアスカイによって内側から破られたはずのダークヘッドは、なんと、アンダークエナジーでできた大蛇のようなかっこうをして、まだ残っています。次回1月28日放送分はいよいよ最終回、プリキュアたちとこの大蛇のようなアンダークエナジーのかたまりとの最終決戦です。ちなみに今回のエンディングのダンスは、キュアスカイでした。
ということで、3週分まとめてのプリキュアの話、終了です。