これは昨夜思いついたことで、あれからずっと頭を離れないことなんですが・・・。
一度、都道府県や市区町村といった行政単位を離れて、鉄道や道路といった交通網と各地の地形図を念頭において、新型コロナウイルスの感染拡大の現状把握や予測をマッピングしてみたらどうなるんでしょうね?
ちょうど地震や津波、大雨・洪水や土砂災害などの被害予測をする「ハザードマップ」をつくる要領なんですが。
なにしろウイルスが人と人との密な接触によって感染するのであれば・・・。
・人口密度の高い大都市圏のほうが、人口減少地域よりも感染の危険性は高い。
・その大都市圏に向けて、鉄道や道路などの交通網を通じて頻繁に人が行き来している地域も、感染の危険度は高い。
・その大都市圏のなかでも、最も感染リスクが高いのは、人の出入りが激しいか、長時間密に接触する場所。
ということになりますよね?
また、鉄道や道路などの交通網でいうと、たとえば小さな町と町とをトンネルで結んでいるようなところは、比較的、人の行き来が少ないでしょう。紀伊半島の南部のようなところ、あるいは兵庫県の日本海側がそうですよね。
あるいは瀬戸内の島々とか、九州などの離島にも、やはり大都市圏からの人の往来は少ないでしょう。
逆に東京・名古屋・大阪の三大都市圏のような平野部で、なおかつJRや私鉄の各線が縦横に路線を通しているようなエリアは、人の行き来はその分多くなるはずです。
あるいは三大都市圏から新幹線で行き来できるエリア、それも東海道・山陽新幹線で「のぞみ」が停車する駅のある町には、三大都市圏からの人の往来があるので、それ相応の感染拡大が見込まれるかと思います(これはJRの特急停車駅でもいえるかもしれません)。
そう考えると、ウイルスの感染拡大の現状把握や予測については、実は都道府県や市区町村という行政単位よりも、長い年月をかけて歴史的に形成されてきた人の往来と交通網の様子(=人文地理的環境)、さらにその往来や交通網をつくってきた自然地理的環境から把握したほうが、より詳細に状況をつかんで、予測ができるように思うんですけどね…。
「せめて都道府県単位ではなくて、市区町村という基礎自治体単位で」の状況把握といいますか、マッピングをしたほうがいいように思うのは、私だけでしょうか…。
以上のような次第で、新型コロナウイルスの感染拡大の防止策については、たとえば自然地理、人文地理といった「地理」の視点から、行政の単位とは別の切り口で問題を考えてみることも必要ではないかと思います。
ある方からは「そのアイデアを活かして、誰かが実際にデータを集めて、マップつくったら?」「ネット上でのオープンな議論で・・・」というようなご提案もいただいたのですが、そこまでする心身の余裕は残念ながらありません。なので、この私のアイデア、「使ってみよう」と思う方はぜひ、使ってください。よろしくお願いします。
※2020年度の新学期から「社会科地歴科教育法」なる科目も担当することになって、このところ「地理」の勉強をしなおしているので、こんな感覚になっております、はい・・・。
※昨夜~今朝にかけて、ツイッターやフェイスブックに書いたことを整理して、転載しておきました。