おはようございます。日曜日なんで、いつものとおり今朝のプリキュアの話から。
前回のラストで、プリキュアたちの敵・クライアス社のルールーちゃんが、はな(=キュアエール)の家に潜り込んで、プリキュアの秘密を探りにくることが明らかになりました。今回の話では、そのルールーちゃんとプリキュアたちとの関係、特にはなとの関係に焦点があたります。
今日の物語の大きな筋としては、まず、ルールーちゃんが海外からはなの家にホームスティしながら、はなたちと同じ中学校に通うところから話がはじまります。中学校での自己紹介のときに、RURU AMOUR(ルールー・アムール)と名乗ったことが、後でも書くように、いろいろ示唆的です。
また、ルールーちゃんは勉強もスポーツもよくできるのですが、なぜか人の感情だけはよく理解できない、そんな感じのキャラになっています。なので、はなたちが手巻き寿司でルールーちゃんの歓迎会をやろうとしても、つい「なんのためにやっているのか、意味不明」みたいなことを言ってしまいます。そして、ルールーちゃんを一生懸命歓迎しようとするわりには空回りするはなに対して、はなの父親は「家族みたいに接しよう」的な話をします。
そんななか、クライアス社の課長・パップルが彼氏らしき人と話をしている場面が突然入ってきて、「ルールーは機械仕掛けの人形だから…」なんてことを言います。また、ルールーちゃんもはなの行動や思考の原則が読めない、わからないと、クライアス社に報告をあげたりもしています。そして、ルールーちゃんははなの家を出て、街にオシマイダーを登場させて、オシマイダーにはなたちを攻撃させてデータを取ろうとします。
一方、オシマイダーが登場すれば、当然はな、さあや(キュアアンジュ)、ほまれ(キュアエトワール)は変身してプリキュアになります。また、はなはキュアエールになってもなお、ルールーちゃんがどこへ行ったのかを探そうとしています。そんな姿を見て、ルールーちゃんはお花畑のなかでキュアエールと対話をはじめます。「なぜそんなに一生懸命なのか、根拠がわからない」と問うルールーちゃんに対して、キュアエールは「ルールーちゃんが好きだから。それじゃだめ?」と問い返すわけですね。そう言われたとき、ルールーちゃんはなぜかドキッとします。まあ、このあとはオシマイダーを倒しておわるわけですが。
ラストの場面では、あらためてちらし寿司を、はなの家族といっしょに食べるルールーちゃんが描かれます。また、寝る前にいっぱい話がしたいと、ルールーちゃんの部屋にはながやってきて、結局、先に寝てしまうわけですが。そして、そんなはなの姿を見て、ルールーちゃんは「意味不明」と言ったり、機械仕掛けのからだの中身が透けて見えたりするわけですが、なぜかさっきドキッとした場面を思い出したりもする…という、そんな終わり方でした。
さて、今回のこういう物語の流れは「機械仕掛けの人形のルールーちゃんは、人間のこころを理解できるようになるのか?」という、今後続く物語のテーマを暗示しますよね。ルールーちゃんがRURU AMOURだと名乗ったことも、愛情を意味するようなAMOURという言葉を使った点で、その今後続く物語のテーマと深く関係しそうです。そして、このテーマ、よく考えたら「AIは人間の感情を理解できるのか?」みたいな、そんな現代の哲学・思想的なテーマともつながっているようにも思われます。
そうそう、この敵のキャラがプリキュアに接近して人間らしい感情を取り戻す…という点では、かつて「フレッシュプリキュア」の敵キャラ・イースの存在を思い出させます。イースは、プリキュアの居る世界とはちがうパラレルワールドからやってきます。そのパラレルワールドでは、人間はホストコンピューター・メビウスのプログラムに生まれてから死ぬまで、自分の感情や思考も含めて支配・管理されています。イースはそのパラレルワールドから、プリキュアの秘密をさぐるために「東せつな」と名乗って、キュアピーチたちに接近してきます。でも、プリキュアたちとかかわるなかで、東せつなはだんだん、人間らしい気持ちを取り戻していきます。そしてプリキュアと対決して生まれ変わり、キュアパッションになって、メビウスの支配から人々を解き放とうとするわけです。
どうやらこのイース=東せつな=キュアパッションの流れを、このルールーちゃんもこの先、たどっていきそうな気がしているのですが。さてさて、どうなることやら…。
ちなみに来週は予告編を見る限り、プリキュアたちの職場体験の回。どうやら保育所に不思議な赤ちゃん・はぐたんを連れていくみたいです。